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自分らしいマネジメントを確立するための、たった一つの考え方

はじめまして。

スキルマーケット「ココナラ」にてCHROをしております佐藤です。EVeM長村さん、紺野さんから貴重な機会を頂きまして"マネジメントAdvent Calender"の連載に登場させてもらうことになりました。

そして、筆不精ながらせっかくの機会ということで、noteデビュー戦となります。(まだ自己紹介記事とか書いてない 笑)よろしくお願いします。

さて、何をしている人間なのか?簡単に紹介させて頂きます。まず、プライベートでは10歳、9歳、そして4歳になる三児の父。超バリキャリの嫁。というなかなか楽しい家族構成の中、父であり旦那であります。

ココナラではCEOの参謀として組織戦略の検討と実行を中心に、経営・人事全般に広く関わりながら、採用・人事企画・労務・総務などインナーコミュニケーションを担当する組織のグループマネージャーも兼務しています。

前職のリクルートでは、HR業界に関わりながらも、営業・営業企画・事業企画・事業開発・働き方改革(バックオフィス全般)・組織変革などのテーマでマネジメントやプロジェクトマネジメントを担ってきました。一時脱サラし、子連れ家族で世界放浪というアグレッシブな時間を過ごした事もありましたが、その話はまた今度ということにして。。


どんな人に読んでもらいたいのか?

さて、本日のテーマは"マネジメント"ということです。前述のとおり、僕も世の中でいうマネージャーとして様々なステークホルダーに対峙している1人なわけです。

皆さんも、どうせマネジメントをするのなら、「自分らしいマネジメントを実践したい!」と思われる方も少なくないのではないでしょうか?

私はそう思っていましたし、今でもそう思っています。なぜなら、マネージャーってかっこいいじゃないですか。会社から大切なメンバーを預けさせてもらって。このチームを率いて、最大の成果を出していきたい!メンバーひとりひとりが最高の仕事をできるように支援してあげたい!少なくとも僕はそんな風に思う人間です。

今日は、そんな想いでマネジメントに関わる方に、あくまでも僕が思う個人的な意見ではありますが、"どうしたら、自分らしいマネジメントを確立することができるのか?"について、書いてみたいと思います。

マネジメントとは、「なんとかする」ということだ

はい。結論めいたタイトルが入ってきました。なんだそれ?と思われたかもしれません。マネジメントとは何か?という問いから考えてみたいと思います。

マネジメントとは、人にかかわるものである。
その機能は人が共同して成果をあげることを可能とし、
強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである。

マネジメントをこう定義づけたのはP.F.ドラッガーです。(出典:マネジメント)抽象度が高くも非常にまっとうな考え方で、なるほどと思いながらも2秒後にはう〜ん、、、と僕はなってしまいます。(決して私なんぞがP.F.ドラッガー先生に異論を呈しているわけではありません 苦笑)

マネジメントとは資源や資産・リスクなどを管理し、経営上の効果を最適化しようとする手法を指し、経営学の分野の一つで、経営者の経営そのものを指す場合が多いです。
一般に「管理」と訳されることが多いですが、評価・分析・選択・改善・回避・統合・計画・調整・指揮・統制・組織化など様々な要素を含んでおり、これらを総合した概念をマネジメントだと考えた方が理解しやすいです。

​リクルートマネジメントソリューションズの人材育成・研修・マネジメント用語集にはこのように定義されています。たしかに広義の意味で「管理」であるというのは明瞭簡潔な表現で、まさしくだなって首を縦に振りそうになりますが、僕は縦というよりは斜め横に傾げてしまうようです。

会社を主語として、経営の目線で見れば至極真っ当な考え方と思います。一方で「俺が部下を管理するべし」と思っている人に、今の時代のメンバーがついていきたいと思うでしょうか?会社からみれば人はリソースであることは事実ですが、人からみると社会の傘の中にあるものの1つがカイシャであり、自身のリソースはカイシャに管理されるものではなく、社会の中で家庭や会社や地域社会など、様々なものに帰属する、自分自身のもの。そう考えても良いのではと思うのです。

マネジメントとは、「なんとかする」ということだ。

なんてかっこ悪い響きなのでしょうか 笑 いくらマネジメントの語源であるmanageがそれだからってと思われるかもしれません。

しかしながら、シンプルに一言でいうと、こういうことではないか?マネジメントに迷ったときに、どうしようって思ったら、これくらい端的に頭に入っていた方が無駄に悩まずに吹っ切れることができるのではないか?

そんな風に考えるのは、自分自身が悩み、失敗した経験があるからです。

考えてるふりして悩んでるGMなんて、メンバーがかわいそうと思わないか?

前職のリクルート。当時では最速でマネージャーに任用されました。マネージャー1年目は実績も上げてきた営業としてのGMということもあり、経験と自信をバックボーンとしながら、新卒入社の新人達を中心に20人弱のグループを預かりました。結果として、カンパニーで表彰されるような最高の成果と充実した1年を過ごすことができました。

マネージャー2年目のことです。リクルートの求人媒体を販売いただくパートナー各社(販売代理店)の営業・事業企画を担う部門のGMとなりました。入社してからずっと営業畑だった自分にとって、まさに異国の地でした。

メンバーは年上から年下まで様々となり、企画の"き"の字も、販売代理店チャネルという実態も全く分からない。おまけにExcelも"sum"しか使えないような状態でマネージャーとして着任したのです。想像に固くないと思いますが、スキルも知識も経験も全てがメンバーの方が上という状況で"マネジメント"をするということは、非常に困難なアジェンダでした。

メンバーに対して「ごめん、わからないから教えて!」というのは簡単です。本当にわからないので、一から十まで教えてもらいました。上司も、とにかく最初はキャッチアップが大事だからと、様々な会議に出席させてくれました。それでも、マネージャーである以上は、メンバーと同じことをずっとやっていてはバリューがないと考えていました。日々の仕事の中でも、他部署から問い合わせを受けたとしてもメンバーの担当者と直接話した方が早い。部長に業績要因を教えてって言われても、実際に数字を作っているメンバーの担当者の方が各論が分かる。自分の存在意義が全くわからなくなりました。

マネジメントから、心底、逃げたくなりました。

マネージャーがやるべき仕事は何だろうか?マネージャーとして自分はどうあるべきなのか?このままではメンバーからも信頼がなくなるのではないか?そんなことを日々悶々と考えながら、カッコ悪いマネージャーの自分と付き合っていました。

そんな時、ある恩師から言われたのです。「お前、あんなにキラキラだった目が死んでるな。メンバーのためにどうあるべきか考えてるっていうけど、考えてるふりして悩んでるGMなんて、メンバーがかわいそうと思わないか?

心がグサッと刺されたような思いでした。そして、その瞬間に気づいたんです。「かっこいいマネージャー」「あるべきマネージャー」「メンバーを支援するマネージャー」という自分が掲げた"マネージャー像"に囚われて、実は全くメンバーや事業、顧客や自分自身にも対峙することができていなかったことに。そもそも、それを定義づけるのは自分ではなく、あくまで自分の行動を見たメンバーや上司、そして顧客が意味づけしてくれるものである。言い換えれば、自分にできることは目の前のことから逃げずに向き合い、行動し続けることだけだ、と。

そう考えた時、なんだか色々囚われ悩んでいた自分が吹っ切れました。

最良のマネージャー像なんて存在しない。とにかく"なんとかする"ってことだけ考えよう。

オーナーシップとは"在り方"である。

マネジメントという言葉や、あるべきマネージャー像に囚われなくなった僕は行動が明らかに変わりました。どう変わったのか?それは、自分自身の人格全開で、言い換えると自然体でマネジメントするようになりました。

営業時代のように相手の言うことを全力で傾聴し、メンバーが課題と思っていることを手段を選ばず解決しにいったり。上司の発言がおかしいと思ったら、自分ができないマネージャーなのにと決めつけずに真っ直ぐに意見を伝えたり。自分としては事業がこうなっていかないとマズいと思うんですが、どう思いますか?と、自分が信じる未来について他の部署の先輩や役員などにも話をぶつけに行きました。

現実には知識やスキルや経験の差分が一気に縮まることなどありません。それでも不思議なもので、周囲の反応が変わっていくのです。僕の行動や発言のみならず、恐らくは醸し出す雰囲気や気持ちなんかを感じとってくれたのだと思います。

残念ながら、翌年には組織異動をしてしまったため誇れる成果までは辿りつけませんでしたが、マネージャーとして"失敗"をさせてもらったことで、その後のマネジメントキャリアとして心構えの礎を築くことができ、プロジェクトマネジメントや現在の組織運営でも活かすことができています。

振り返ってみると、自分に対するオーナーシップの取り方が変わったのだと言えます。たしかにマネージャーとしての経験やスキルや知識というのは非常に大切です。しかし、それ以上に大切なのはスタンス(心得)であり、自分の在り方ではないでしょうか?

よく言われるサーバント型とかオーセンティック型とかは、ここでいう在り方とは違います。そのような考え方は相手や状況に合わせて、もしくは自身のキャラを踏まえた時にマッチするものを取り入れればよいもので、それを目的的に作り上げようとしても結果が得られるかは疑問です。囚われすぎずに、迷った時にシンプルに一歩を踏み出せれば、僕のように悩むマネージャーを減らすことができるかもしれません。

オーナーシップ=在り方が変わると、行動が変わります。行動が変わると周囲が変わります。そうすると、周囲が自分を〇〇なマネージャーと意味づけしてくれます。自分自身を全開にして、とにかく目の前のことをなんとかするんだと一生懸命動けた時、周囲が意味づけしてくれる「〇〇なマネージャー」というのは、自分が大切にすることのできる、

"自分らしい"マネジメント

となって磨かれていくものだと思うのです。

まとめ

・マネジメントとは、"なんとかする"ということである

・マネジメントを実践するためには、自身に対するオーナーシップ(=在り方)を変えることが大切であり、それは変えられるものである

・オーナーシップが変わると周囲は必ず見てくれていて、「XXさんって〇〇なマネージャーだよね」という意味づけがされる

・全人格で一生懸命マネジメントに取り組んでいる時の「〇〇なマネジメント」こそが、"自分らしいマネジメント"となり、磨かれていくものである

マネジメントって必ずしも仕事だけに使うものではないと思います。「なんとかする」って動詞なら、目的があったり、誰に対してという対象も存在しますよね。僕であれば、家族や嫁、メンバーや上司、組織や会社など。そう考えると、目的や文脈にもよりますがステークホルダーに対してマネジメントに取り組む機会は日常です 笑 

その都度、失敗と学びはあるわけなので、常に自分をアップデートさせながら頑張っていきたいということを初noteに残しておきます(なぜ初心表明 笑)

また、今回はスキルとスタンスで言えば、スタンス的な話に焦点を置いて実体験をベースに書いてみましたが、実際に成果につなげていく上ではスキルという両輪が必要ですよね。EVeM長村さんも、ベンチャーマネージャーの心得がハードとして非常に大切だと仰ってましたが、そこにスキル、フレームワーク(型)としてのソフトが乗ってくることで成長スピードを加速させ、成果創出までのリードタイムを短縮させることができると思います。皆様もぜひ、ベンチャーマネージャーのマニュアル読み漁ってはいかがでしょうか!?

最後になりますが、貴重な機会を頂いたEVeM長村さん、紺野さんありがとうございました!

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