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ユージくんの青い海

生意気ざかりのユージくんは、わたしの弟です。この春、14歳になりました。
よくできた弟ですが、でも時には賢すぎ、むかむかすることもしばしば。
わたしたちあんまり似てないけど、ほんとに血がつながっているのかな。

ねぇ、ユージくん。あなたはどこからやってきたの?
すると、ユージくん。海の水から精製した塩の結晶を一つまみ、わたしにくれました。
これはね、ぼくらが溶けていた海からとれた塩なんだ、と彼はいいます。

もらった塩を口にふくむと、あら不思議。意識は青い海のなか、夢となって泳いでる。
見ると、海亀の背中にのった男の子があらわれて、少年の腕には、おおきな卵がありました。
この卵はお姉ちゃんだよ。海と月とが出会うところに届けたら、ぼくもあとを追いかけるから。

浦島太郎っぽいユージくんは、そういうと笑います。そんなわけで、わたしが先に生まれました。
海はあの世の象徴。過去の塩。わたしが妹で、ユージくんがお兄さん。すべてがあべこべ、おもしろい。
わたしより若いけど、あなたの魂は天使とおんなじ。とても、とっても古いんだね。

熾天使、すなわちセラフィム、ユージくん。ありがと。あなたのこと、大好きです!

VOICEROID2の紲星あかりによる朗読です。ぜひ、お聴きになってくださいね。


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