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記憶に残っている株主総会 【経営】

 どんなライブ・コンサートよりも一番楽しみなのが、株主総会です。筋書きのないドラマで、ハラハラ・ドキドキです。今年も来週から多くの企業で開催されます。しかし今年はどこの企業も「ご来場自粛のお願い」が書かれていました。たとえ会場に行ったとしても、人数制限があり入れない可能性のほうが大。それならば、切実に訴えたい株主さんに行って頂こうと見送ることにしました。

 一番記憶に残っている株主総会と言えば、2018年12月5日開催の武田薬品工業臨時株主総会です。「買収総額6兆2000億円のシャイアー社買収について」クリストフ・ウェバー社長率いる経営陣 VS 創業家を中心とする買収反対派 の構図。

 論理的に説明するウェバー社長と浪花節の反対派。

 私は、単に数字的妥当性や世界の中で存在感を高めることによる今後の事業展開上のメリットを考えると、買収に大賛成でした。

 しかし、1781年創業の歴史的重みは想像以上に重く、どんなに苦労してここまで積み上げてきたのか創業家の方が力の限り異を唱えられ、一瞬ウェバー社長が表面的な机上の空論を言っておられる感さえしました。

 そこで登壇されたのが坂根社外取締役。コマツの元社長・元会長で世界をワンチームにする『コマツウエイ』で成功に導いた方です。坂根社外取締役が取締役会の議長として、検討に検討を重ねられた経緯や、コマツでの経験の活かし方など丁寧に説明されました。嘘偽り、飾りがないご説明に会場から拍手が・・・。

 検討の深さ・重みのほうが勝っていました!

 創業家の方々が張られた根っこを、もっと大きな鉢に植え替えられ、益々発展していくと思います。


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