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ロンドンで見えたデザインの本質

ロンドンのDesign Museumでは"Designer, Maker, User"という常設展示を行っています。普段なんでこれ使っているんだろーなって当たり前のようにモノを消費してしまっている自分を振り返るいい機会になるのでLondon近くに寄られた際はぜひ。

ここでもまとめておきます。
展示のキャッチコピーにもなっている,User,Designer,Maker,という3つのSteakholderからデザインの本質を明らかにしていきましょう。

1. User

普段我々は,どんな思いで身の回りに置くものを選択しているでしょうか。
今あなたの目の前にあるもの。
なぜあなたは他でもなくこれを選んだのでしょうか。

一つ目は合理的な選択によるもの。
コスト,効率,心地よさ,必要性といったものですね。

 二つ目は非合理的な選択によるもの。
直感,価値の認識(ブランドとか),広告による扇動といったものです。

この二つ目については,
非合理的な人間の選択にも関わる行動経済学と密接に関わります。
このあたりの記事も今後書いていきたい。おもしろいです。

感情による選択の例としてStarbucksの例で考えてみましょう。
例えば商品がShortとTallの二種類のみの場合,
あなたはどちらを選択するでしょうか。

この時には価格の面からShortサイズを選ぶUserが多いでしょう。
一方で選択肢が次のようになった場合はどうでしょうか。

統計的にはTallサイズを選ぶUserが多くなります。
(実際Starbucksのメニュー表にはTallが強調されています。)
本来の合理的判断であればShortを選択するにも関わらず,
選択肢が増えただけで選択の結果が変わってしまう。
これはおとり効果(Decoy Effect)と呼ばれており,
非合理的な選択を経済活動で行ってしまうという行動経済学の
顕著な一例です。

Designer

Userの期待や目的に応えることを目的としています。
ここでいう期待や目的はもしかすると潜在的なものかもしれません。
あくまで自己表現としての創造を行うArtistとはまた違っていますね。
昨今は,デザイン思考という言葉で語られることも多いですが,
Userの視点に立って何を必要されているのか理解することです。
デザイン思考まわりも今後記事にしたい。
記事を書いてるうちにどんどん書きたいことが増えていきます...

Maker

デザイナーが設計したプロダクト,サービスを
実際にUserの五感に触れる形で実現するのがMakerです。
コスト,マテリアルの選定,環境への負荷も考慮しながら
プロダクトの満足度を高めるように作り上げていきます。
Userの元に届ける際の運送なんかもMakerの果たす役割です。


こんな風に分解して考えてみると,
デザインの本質とは
従来考えられがちなDesignerだけのものではなく,
我々Userのセンス,Makerの意匠によって
複雑に形成されていることがわかるかと思います。


ドローンを例にとってみましょう。
当初は大きな市場ではありませんでした。
それはUserが何に使うかわからず,
とりあえず飛ばしてワーイだったから。
でもこれが無人物流,農作物モニタリング等に使えると分かると,
市場は一気に拡大しました。
まさにデザインの本質が見逃されていた例かもしれません。

いいデザインはSustainableです。
いつみてもイイなあと思います。
こんな風にUserに対する緻密な理解から始まると,
Sustainableで革新的な解決策にたどり着くことが多い気がします。


身の回りのもの,ちょっと考えてみましょ。

こつこつ更新します。 こつこつ更新しますので。