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芸術を誰かと,本気で語り合いたいんだ。

好きなことを徹底的に共有できる仲間はいるでしょうか。
深い言語で,絶妙なコンテクストまで共有できるような。

以前私の記事で,いかに同じ美意識を持つひとと遭遇する確率が低く,もしあったなら大切にした方がいい,といった記事を書きました。

原田マハさんの小説,楽園のカンヴァスにはビジネスを超えた深い使命感に燃える2人が登場します。まさに心の底から対象を愛し,共通言語で思いを共有できるような2人です。

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは。

ルソーは19世紀末に活躍した画家です。美術の教育を受けずに,税関の職員をしながら余暇に作品制作を続け,亡くなった後に作品の価値が高まった作家です。それ故に当時のルソーに関する文献は少なく,今でも研究が活発に行われています。

この作品は,そんな謎多きルソーが残した絵画,「夢」を基にストーリーが進んでいきます。
ルソー研究に打ち込む同志の2人,
また登場人物全員が美術作品を愛しており,
かつ,ルソー本人,ルソーの恋人,現代のアート所有者,現代の研究者など,いろんな視点から美術作品への愛が語られる。

同じ趣味を持ち,同じ言語で語れるというのは遭遇確率がとても低いので,奇跡と思った方がいい。そんな関係性を人生では大切にしていきたいと思う小説です。

Twitterでは私の人生観語っております。

他にも楽園のカンヴァスをメンションしているクリエイターの方がいらっしゃったのでここでおすすめの方々をまとめておきます。



こつこつ更新します。 こつこつ更新しますので。