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二拠点生活その2(半移住する為に会社でした事)

続き

酷い話だといっても、色々と我儘を通す為には仕方がない。実際、この会社を手伝い始めたのは6年程前なのだが内情が酷かった。

オーナー社長にありがちな、全て自分でやらないと気が済まない。専任の経理もいないので通帳も印鑑もキャッシュカードも持ち歩く。

給料日の前日に給料計算して社労士に投げる。当日に自分で振込をする。まあ、無茶苦茶だった。一番の古株社員ですら会社の経理的な内容を把握していない。

入社の建前は経営企画だったけれど、当初はものすごく厄介だった。まあ、私も以前は同じような規模の会社の社長で(随分前に失敗したけどねぇ)気持ちはわかる。実際、社長と同じ考えを社員に望んだところで無理な話なのだ。

社長なんてするもんじゃない。社員の様に権利もない、社会的に保護されてるわけじゃない。一般社員なら会社が倒産したって一定期間収入は保証されるが、会社の社長なんて負債を抱えるだけだ。給料日も、賞与支給日も払うだけだから嬉しくもなんともない。

中小企業なんて銀行から借入すれば「保証人」として印鑑おさないといけないのだが、これは経験した人間にしかわかんないよね。

最初は通帳、次は会社の実印とキャッシュカード…私の管理にするのに二年ぐらいかかった気がする。

正直、そんな事の為に入社したわけではなかったのだけれど成り行きだね。それでも、金庫番的な立場は面倒だけれど都合が良いわけだ。ある程度の決済は私が行うのだから、中々文句が言えない立場である。

もちろん図にのっていけない。反感を買わないように、ゆるゆると周りを掌握してゆく。そんなこんなで今の私がいる。

なにせ、入社時は完全にアウェーだったからね。そりゃ無理もない、社長が突然連れてきて会社の中であれこれやりだすのだから当然だったろう。

無駄に経験値はあるから、簡単ではなかったけれど居場所は作った。

なんだかタイトルとズレてるけど、続く

元経営者、某サイトで大賞→小説出版歴有り。現在、金融関連役員(中小企業)コンサルティングも行う何でも屋。証券外務員一種。基本…ただのオッサン