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まだ息子はライバルではない【日記】

今朝は夜勤明けだった。

私は腹ペコ男子。すぐにお腹が空くタイプ。痩せの大食いではないが、食べても太らない人。それが私だ。なので会社から帰宅すると、いつでも食べられる状態になっている。特に夜勤明けはお腹が空いている。

平日が夜勤開けの朝に帰宅すると、子供達は学校に行った後。「今日は何かな?」私は冷蔵庫の中やキッチンに雑然と置かれた食材やら残り物を確認する。自分が食べたいよりも、出来るだけの残り物を片付ける様にしたいからだ。

けど今日は日曜日。リビングのドアを開くと誰も見てないTVがついているだけ。キッチン奥の椅子に妻は座りスマホを見入っている。私はお腹が空いているけど休日は一先ず我慢する。それはまだ起きてこない息子が何を食べるのか分からないからだ。息子は前夜の食べ残しを食べるのか、それとも新たな朝ごはんを妻にオーダーするのか分からない。

「これは食べないだろう・・」そう思い私は食べたことがある。「これは好物だから食べそうだ」そんな時にかぎって食べないこともある。息子ががっかりする顔を見たくないからだ。だから、息子が起きて朝ごはんのメニューが決まるまで食べない。それもあるけど、どうせなら一緒に食べたいと思うのもある。その方が食器洗とか効率も良い。そんなことをいつも考えてしまう。

そして冷蔵庫を開けると小さな鍋がある。それは忘れていた2日前のカレー。「まだあったのか?」中を見ると、一人分は厳しい量。いま食べないと捨てられるだろう。

私はカレーをカスタマイズするのが好きだ。若い頃はガラムマサラやクミンやターメリックとかメジャーなスパイスにハマったこともある。プチ料理男子でもあった。

まず常備していあるS&Bのカレー粉の缶の蓋をカレー用の大きなスプーンの先でカポっと開ける。そして鍋に入ったカレーを温めた。量を増やすため少量の水を足しそのスプーンでかき回す。トマトがあればトマトを水分として使う方が断然上手い。具材に火が通るのを見計らい鍋の火を止める。

まずご飯を皿の半分によそっておく。そして少量の塩とカレー粉と一味唐辛子とブラックペッパーをカリカリとすりつぶした適量を皿の上に乗せておく。それから温めたルーを香辛料の上にオンザする。先に鍋の中にこれらを入れると、鍋の湯気で湿気ってしまいそうだからだ。

そして最後に、缶のふたを開けたり、鍋のルーをかき回す時に使ったカレー用のスプーンで、香辛料とルーを皿の上でかき混ぜ完成させる。と言うのが私のスタイルだ。そうすれば、缶を開ける道具とルーをかき回すお玉の洗い物が減る。

「いただきます!」やはり2日前のカレーは上手い。肉や野菜が腐敗しアミノ酸に変化し旨味成分に変わるからだ。そこにパンチの効いたスパイすがいい感じに鼻に抜けていく。肌寒いはずの秋の朝、額にじわりと汗ををにじませた。ポタッと首筋に落ちた水滴がなぜか心地よい。

この旨さ、まだ中2の息子は知らないでいる。いつかその味を知ったなら、これは強力なライバルになりそうだ。

息子はそれを知らずに、昨日の夕食の残りを選んだ。

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