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英語力の高い帰国子女、低い帰国子女。その差は?

今回は結論から先に書きます。
同じ帰国子女でも英語力の高い帰国子女とそうでない帰国子女がいる。その差は海外滞在期間の長さではなく、読書量で決まる。であれば、日本に住む非帰国子女でも英語で読書をすれば、帰国子女並みの英語力が身に付くだろう。今日は起業当時を振り返りながら、この話をさせてください。

帰国子女=英語力が高いわけではない
英語塾キャタルを始めた当時、何もかも思い通りにいかなくて、難問にぶち当たる日々でした。なかでも集客と先生集めに苦労しまして「起業って甘くないんだな」って毎日のように思っていました。

先生集めに苦労しましたが、たくさんの帰国子女に出会うのはそれほど難しくなかったです。彼らは狭いコミュニティに集まっているので、正しいドアをノックすれば、一定以上の帰国子女に会うことはできました。しかし、英語力が高い帰国子女を採用するのは、思った以上に苦戦しました。

帰国子女が教えるをコンセプトに英語塾をはじめて一番最初に衝撃を受けたのが、英語力の高い帰国子女と、そうでない帰国子女がいることでした。更に驚いたのは、彼らの英語力が海外滞在歴の長さで決まるわけではない、ということです。

英語力は書けばバレる
日本語に置き換えれば当たり前で、高校を卒業した18歳を何人か並べて日本語力を比較しても、日本語力の高い人とそうでない人に分かれます。英語も同様で「18年間海外にいる=英語力が高い」わけではありませんでした。

実は会話だと、僕みたいな非帰国子女には彼らの英語力の差は見分けづらいです。ネイティブの発音で流暢に話されると「おー」ってなってしまって、無条件に英語力が高いように感じます。

ただ、ひとたび簡単なものでもエッセイを書いてもらうと、その差は如実に現れます。日本語でも書くと国語力の差が出ますよね。英語の方が日本語よりロジカルな分、顕著にその差が現れるようにも思えます。

そして更に驚いたことに、アメリカ歴18年の完全ネイティブよりも、小学校までしか海外にいなかった隠れ帰国子女のような人の方が、ロジカルで表現力豊かな英語を書いたりすることもあるのです。つまり海外歴の長さで英語力が決まるわけではない、ということです。

英語力の差は読書量に出る
では、英語力が高い帰国子女の特徴はなんだったか。それは読書量の違いでした。英語圏にはハリーポッター以外にも、『チャーリとチョコレート工場』で有名なRoald Dahlとか、英語圏に住む人なら誰もが通る『Magic Tree House』とか、挙げたらキリがないのですが、読むべき児童文学が豊富にあります。英語力の高い帰国子女はほぼ例外なく、これらの本を読んできているのです。

印象的だったのは、小学校4年生の時にアメリカから日本に戻ってきた帰国子女で、彼女は当時高校を卒業したばかり。採用試験で素晴らしいエッセイを書いてくれたので、高校卒業後の進路を聞くと、イェール大学に進学するとのことでした。次に小4に帰国後、どうやってこれだけの英語力を伸ばしてきたのかと聞いたら、アメリカから帰ってきてからの3年くらいは、お母様と一緒に年間100冊くらい本を読んでいたとのこと。

彼女に限らず、英語力の高い帰国子女は決まって、英語の本をたくさん読んでいました。ある初期の教師が言った言葉で印象的だったのは「帰国子女の英語力は、居た間と帰ってきてからの努力で決まるんですよ」という一言です。これを聞いた時、彼らも努力しているんだなと知り、逆にそこに光をみました。であれば、日本にいる非帰国子女でも、たくさん本を読んで正しい努力をすれば、帰国子女並の英語力を身に付けることができるのではないか。そう考えて、開発したのが今のキャタルのカリキュラムです。生徒が英語の本を一人で読みはじめたら、もうほぼ心配ないなと思います。そうなるまで、授業でストーリーブックの読み方を教え、興味のありそうな本を勧めたりする。それが、本を読んで英語ができるようになった帰国子女の先生からだから、生徒たちも納得して本を読んでいるのだと思います。

海外に行けない今だからこそ、日本に居ながらにしてどうやってバイリンガルを育てられるかに取り組んでいきたい。

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