後悔
「僕を殴ってくれないか?」
声をかけられた半グレ男はキョトンとしている。
「俺になんのメリットがあるんだよ?」
「僕は彼女にひどいことをしてしまったんだ…金なら
払う!だから僕を気が済むまでボコボコにしてくれ
ないか?」
そういうと、細くて色白な男は胸元から分厚い封筒を手渡した。
半グレは中を確認した。
少し口元を緩ませたのちに、半グレは色白の顔面に1発食らわせた。
そして色白の胴の上にマウンティングし、顔をとにかく殴り始めた。
男の顔は見る見るうちに腫れていく。
肌色から赤へ、そして青へ。
それでも男の気持ちは晴れない。
それほどまでに彼の犯した過ちによる罪悪感は深いものであった。
それでも殴りを止めない半グレだったがみるみる腫れていく顔を見ると気味悪く思い、手を止めた。
気がつくと色白は身体が浮いていた。
殴った事によりパンパンに腫れた顔面は浮力を持ち、色白は空へと舞い上がった。
ぐんぐん空へ。
気がつくと大気圏を超え、色白は宇宙にいた。
その時、心が晴々としていることに色白は気づいた。
「なーんだ、浮気なんてこの広い宇宙に比べたら大したことないじゃん。」
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