3人組

「おまえ昨日のサッカー見た？」

「いや、見てない。まだいうなよ。」

「え〜、どうしようかなぁ。遠藤が大活躍だったよ。」

「言ったら友達やめるぞ」

「なぁ、俺いる？」

後ろにいた高瀬が横並びで歩く藤田と加藤に声をかけた。

「3人である必要なくないか？現に2人で並んで歩い
　てるし会話も2人だけでやってるし。」

「いや、高瀬ごめんそんな怒んなって。横並びだから
　喋ってただけで高瀬にも話振ってたじゃん？」

「いや、話振ってるのは気を使ってるからでしょ？一
　応話しかけとこかなみたいな。それなら別にいらな
　くね？」

「いやいや、そんなことないよ。俺も加藤も高瀬誘っ
　てよかったと思ってるよ。なぁ？」

「うん。」

遊園地のアトラクションの行列に並んでいた3人組は不穏な空気のまま、乗る順番がやってきて2人乗りのジェットコースターに乗り込んだ。