歯医者

今から僕は歯医者にいく。


変わっているかもしれないが、僕は歯医者がすきだ。

というより、
いつも行く歯医者の受付にいるあの娘が好きだ。

好きで好きで仕方がない。


しかし僕は生まれてから生粋のいくじなしなので、この想いを伝えられずにいる。


そんなことを考えながら、治療を続けていた。

僕は虫歯だ。


しかしそんな虫歯は今日で治療が完了する。
つまり、今日が彼女に想いを伝えるラストチャンスというわけだ。

歯医者に着くと、
今日もあの娘がいた。
今日もマスクの下に隠れる笑顔(みたことはない)がとても素敵だ。
社員なのかはわからないが、僕が来る時には毎回いる。僕はラッキーボーイなのかもしれない。

今日こそは…



診察が終わった。
無事に口の中の悪魔払いは終了したようだ。


緊張をしながら、受付の前で名前が呼ばれるのを待つ。


「奥村さん」


僕は受付に向かった。
気がつくと会計が終わっていた。

僕はまた声をかけることができなかった。

しかし、
今日はラストチャンスではなかった。


ぼくはヘビースモーカーだったため今度はホワイトニングをすることにした。


お金はかかるが、またあの子に会える。


そんな事を考えながら、歯医者を後にした。

受付の彼女は院長とデキている。

彼は敗者だ。

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