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可能性を確信‼️「学級経営 ✖︎ お金の学び」の実践‼️<解説編①>


ここ数年で「お金」についてもっと学ぶことが必要・・・
金融教育という言葉も学校現場では広まってきました。しかし,教員はお金についての知識という点では,リテラシーが高いとは言い難いのです。
そのため,ゲストティーチャーという形で講師を呼んで授業をしてもらうことが多いのではないでしょうか⁉️

これまで学校現場で「◯◯教育」が降りてくる度に,出前授業を見てきましたが,全て単発というかなかなか子どもたちに浸透していない実感があります。その時は「おおぉ‼️」という感じで盛り上がります。講師の方も上手に楽しく授業をしてくれますからね。ですが,その後の行動変容に繋がっていないというのが現実です。やはり子どもたちが実生活で行動しなければ,意味があありません。

「学級経営」✖️「◯◯教育」の可能性を確信

子どもたちに一番影響を与えるのが「学級経営」です。子どもの立場で言い換えると「学級活動」の時間ですね。担任の学級経営方針が子どもたちの成長を大きく左右することは,言うまでもないでしょう。つまり,学級経営と絡ませて実践することが最も行動変容につながり,身近な自分ごととして捉えられるのです。そう考えて,数年前から私は「お金の知識」を組み込んだ学級経営を試行錯誤してきました。今年度,その実践に大きな可能性があることを確信しました。その取り組みの内容と実践の解説編①としてどのような成長を促せるかを書いていきます。

事例編はこちらから


学級経営の視点

係活動とは異なり「自分でやってみよう」と思うことでしか始まらないため,主体的に行動する力がつきます。ただし,始めからみんなが主体的に動くことはありません。学校では「みんなができる」が前提にある活動がほとんどです。係活動や委員会活動など,最低限の仕事を全員ができる状態を理想としてスタートします。そのため,仕事をサボったり適当にしたりする子どもがいると
「なんでちゃんとやらないの💢」というマインドになってしまいます。
(こうなると,誰も得しない・・・)
会社活動のスタートはクラス全員ができなくてもいいのが前提です。
活動している子を見て「あ,なんか楽しそうだな、、、やってみようかな」
と思うことからスタートしている事に価値を置く活動なのです。

とにかく行動して,いろんなことに挑戦している子どもをしっかりと認めて肯定的なフィードバックすることに担任がコミットできます。
数人の小さな成功をどんどん広げて大きくしていくことで,子どもたちの自分で決めて行動する習慣を積み重ねていくことができます。
そういった小さな積み重ねが,行事や学習活動にも影響していきます。
(♯これがポイント‼️これがねらい‼️)

また,地道にコツコツと努力している子に必ずスポットが当たります。発言力がある子どもの声ではなく,静かでもみんなのために頑張って続けている行動が認められるような環境を構築する事ができます。

お金の学びという視点

学級経営の視点に書いたことは,別にこの実践でなくても実現が可能です。
この実践では「お金」に触れながら学級経営に還元できる部分がポイントです。多忙を極める教員の働き方。そこに新たにお金に関する知識や考えを・・・と,ビルドだけではどうしても学級経営が優先になるため実現が不可能です。

では,この実践で子どもたちは,何をどうやって学ぶのでしょうか。

①「自分ごと」でお金トラブルを経験する

教諭として担任を長年やってきた中で,厄介だったものの一つに「お金」のトラブルがあります。誰かにものを買ってあげたり,友達にお菓子や文房具を買ってもらったり・・・子どもの世界でこのようなお金のやり取りがあると,いずれ大きなトラブルになります。

そんなの昔からあった,子ども自身がそうやって学んでいく社会勉強だ。
と言う人もいます。確かにそういう一面もあるかもしれません。しかし,実際に子どもたちの社会は複雑で残酷なものです。場合によっては額がどえらい金額になり得るのが今の社会です。もうそうなってしまうと「学校教育」の守備範囲を越え,時には弁護士や被害届を出せば警察も介入しくる事態に発展します。そうなるとなぜダメなのか⁉️もはや学校がどうにもできないのに,気を使い続けるハメになり,できることもできなくなって全てのパフォーマンスが低下する結果になるからです。

お金を使った会社活動を実施することで,トラブルを体験する事ができます。社長に渡した給料をどうするのかは,自分たちで考えさせます。
そうすると子どもたちはいろんな事を考えて考えて試します。

・全部を平等にみんなで分ける。
・全て会社のお金にする。
・半分は会社のお金にして,残りを分ける。
・役職(課長とか勝手に部長作っている)によって金額を変える。
・頑張った人だけに給料を渡す。
・社長が自分で全て管理する。(独り占めする🤣笑)

面白いですよね😁
そうしていると必ずケンカや言い合いになる会社が出てきます

「俺,働いたのに社長が給料くれない‼️ブラックだー」
「あんたほとんど何もしてないやん‼️」
「え⁉️やったしな」
「先生,◯◯が勝手に私のお金を取りました,泥棒ー」

想像がつきますよね😏現実のお金ではないとは言え,子どもたちは「お金が欲しい」と無意識のうちに行動します。そこで,いろんなトラブルが起こる訳ですが,それを体験することに実践の価値があります。
これが現実のお金で起起こると保護者に連絡をしたり,学校組織で対応したりする必要があります。ですが,この実践ならそれをする必要がありません。

実際に大人の社会でも,お金に関係する事件は起こっている。だから,君たちがそうやってケンカになるのは当たり前なんだよ。お金を奪い合うことで友達とケンカになる,そうならないためにはどうしたら良いと思う⁉️

といった感じで,一緒に考えていきます。自分ごとの体験を通してお金と向き合って考えるチャンスが生まれるんですね。

②他者貢献することの意義を経験する

誰かのために自分のできることを頑張る。言葉にするとそれだけのことですが,他者貢献が「お金」と言う信頼をカタチにしたものに変わって手元にある,そしてそれを使ってさらに他者貢献がしたくなる。
大事なのはそれを繰り返していける環境があること。誰かの役に立つことの意義をより強く感じる事ができます。
「ありがとう」の言葉や喜んでいる姿だけでなく,そこにお金という具体物が加わることで,濃い経験ができると同時に,大人の社会も同じ仕組みで動いていると知るのです。

③先行者利益やレッドオーシャンの感覚が育つ

何事もそうですが,特に学校という場所は子どもたちが,どうなるかわからない事を「最初にやる」のを避けやすい環境です。みんなの前で失敗したくない・・・そんな気持ちを持つ子は多いです

ですが・・・
この実践では最初にやること,いわゆる先行者利益が大きいのです。

例えば,イベントを行い収益を得るには,先に準備や時間確保に自分たちのお金をたくさん使う必要があります。お金を得た子どもたちは,それを
失いたくないと強く思うもの。みんな上手くいくかどうか分からずに不安だし,お金を減らしたくないから躊躇うんです。

そんな中で,率先して挑戦した会社はきちんと準備していれば使ったお金以上に大きな収益を得る事ができます。・・・というか,そうなるようにここは若干担任がうまいこと持っていく必要があります。(ここ大事👍)

初っ端のイベントが大成功して収益を得ることで「不安があっても挑戦すること」に価値を生み出せるからです。そうすれば,自然と他の会社も真似し始めますが,やはり盛り上がりや二番煎じ感が漂います。
そんな周りを横目に,こっそりと最初に勇気を出して飛び込んだ子たちをしっかりと認める言葉を伝えます。・・・と,同時にライバルが増えたぞ‼️次の手は工夫しないとヤバいかも⁉️とハートにさらなる火を灯すのです。

また,同じような事をしている会社が複数あると,みんなからの投資が割れてしまいます。競い合うもよし,手を組むもよし・・・いろんな対策が考えられますが「同じような事をしている会社あると大変だ」という感覚を知る事ができます。逆に,クラスで誰もやっていないことを見つければ・・・
まさにレッドオーシャン・ブルーオーシャン👍
この視点を会社活動で,知らず知らずのうちに身につける事ができます。

<エンディング✨>

「学級経営 ✖︎ お金の学び」の実践‼️の解説編①として,どんな成長を促せるかについて書きました。ある程度上手く回ってはじめて効果があるというのが前提の話です。次回の解説編②では,実践の中で上手くいったこと・いかなかったこと・具体的にどんな仕掛けの工夫をしたのかについて書いていこうと思います。


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