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可能性を確信‼️「学級経営 ✖︎ お金の学び」の実践‼️事例編

ここ数年で「お金」についてもっと学ぶことが必要・・・
金融教育という言葉も学校現場では広まってきました。しかし,教員はお金についての知識という点では,リテラシーが高いとは言い難いのです。
そのため,ゲストティーチャーという形で講師を呼んで授業をしてもらうことが多いのではないでしょうか⁉️

これまで学校現場で「◯◯教育」が降りてくる度に,出前授業を見てきましたが,全て単発というかなかなか子どもたちに浸透していない実感があります。その時は「おおぉ‼️」という感じで盛り上がります。講師の方も上手に楽しく授業をしてくれますからね。ですが,その後の行動変容に繋がっていないというのが現実です。やはり子どもたちが実生活で行動しなければ,意味があありません。

「学級経営」✖️「◯◯教育」の可能性を確信

子どもたちに一番影響を与えるのが「学級経営」です。子どもの立場で言い換えると「学級活動」の時間ですね。担任の学級経営方針が子どもたちの成長を大きく左右することは,言うまでもないでしょう。つまり,学級経営と絡ませて実践することが最も行動変容につながり,身近な自分ごととして捉えられるのです。そう考えて,数年前から私は「お金の知識」を組み込んだ学級経営を試行錯誤してきました。今年度,その実践に大きな可能性があることを確信しました。その取り組みの内容と実践しての結果を紹介します。

「会社活動でお金を学ぶ学級経営(仮)」の実践

実践事例:ガチでやる‼️◯年◯組会社活動
対象:小学校4年生〜6年生
目標:「お金」に関する知識や感覚を1年間の学級経営を通して身につける

<実施にあたって>

目的はあくまで「学級経営を通して」お金を身近に感じることです。社会に出たら「お金」とは死ぬまで離れることはなく,常に考えておかなければなりません。知識を身につけることはもちろん重要ですが,最も重きを置いたのは,常に「お金」が学級の中でも存在して付き合うということです。担任が実践する学級経営にお金という概念を連動させて,子どもたちが成長できる環境を作ることを常に意識しながら取り組みました。

<実践内容>第1ステージ

まず,4月のある程度学級の外枠が整った段階で「会社活動」を子どもたちに提案します。早すぎると,こちらに夢中になって線引きが曖昧になるので注意が必要です。会社活動とは,係活動とは異なりやるべきことが与えられるわけではありません。学級の子どもたちに伝える活動内容は

・自分で会社を立ち上げて,クラスのみんなに貢献してみない⁉️
・誰かのためになっていると思うなら,どんな会社でもいい‼️ 
・自分の得意なこと好きなことから始めてみよう‼️
・1人でやっても,友だちと一緒にでもOK‼️
・担任の秘書😆笑

というくらいです。ルールはいきなり厳しく伝えない。とっかかりは「楽しそう✨」「やってみようかな⁉️」と子どもたちが感じることです。会社の立ち上げ書を作って,会社名・社長・メンバー・やることを画用紙に書かせて,掲示板に貼ってスタートです😁

こんな反応だったらどうする⁉️

「先生,それって絶対やらないとダメですか⁉️」
「俺はニートがいいぜ🥸」
「社長が決まらないので,3人とも社長でいいですか⁉️」
「会社を2つやるとかありなんですか⁉️」

みんながみんな飛びついてくる訳ではありません。特に「絶対にやらないといけないんですか⁉️」は最高に燃えますね😆別にどっちでもいいよ👍の返答でかまいません。その子が会社活動に参入してくるように,周りの子の熱を高めてどんどん仕掛けていきましょう。
一方で,キッチリとしたい部分は社長1人を明確にする事です。責任者を明確にしないと,後々に厄介な事が起きるのでそこはしっかりと子どもたちに話して決めさせましょう。掛け持ちは社長でなければOK🙆‍♀️です。

これまで子どもたちが実際にやり始めた会社活動はこんな感じ

・イラストや塗り絵を作る
・得意なこと好きなこと,クラスの出来事など新聞を作る
・教室の掃除や整理整頓をする
・マンガを作る
・本の貸し出しを始める
・配布物を牛耳る笑
・休み時間に遊びを企画する
・給食を残さないように余っていたら食べる
・お悩み相談
・占い
・勉強を教える
・スポーツ(鉄棒やなわとび)を教える
・パソコン(タブレット)教室を開く
・落とし物を管理する

というような事を始めます。マンガを描きたい会社が2つできてもライバル会社として認めます。とにかく,まずは自由にやりたい事をやらせるようにします。

ここまでが第1ステージです。5月の終わりくらいまで,この状態を継続します。
この段階では画用紙や紙類は自由に使いたいだけ使えるようにします。掲示板も好きなだけみんなで相談使ってもかまいません。1月くらい経つと,少し熱も冷めてきます。・・と同時に,学級経営では魔の6月といわれる時期がやってくるのですが,ここに合わせて第2ステージを仕掛けます😏

<実践内容>第2ステージ

学級会で「会社総会」を開いて,子どもたちの取り組みをそれぞれ発表させ,クラスに貢献している会社を子どもたちにポイントを投票させます。まだ「お金」は登場させません。6ポイントを3つの会社に理由を明確にして振り分けるさせます。ポイントをたくさん集めた会社に優良会社的な称号を与えて,讃えます。
自己満足ではなく,他者貢献が評価されるということをここで実感する事に重きをおきましょう。ポイントをゲットできない会社も出てきます。そんな会社には,ガッツリと担任が入って次回に向けての相談と応援で背中を押してあげましょう‼️7月半ばあたりに,第二回のポイント表彰会を開いて1学期を終えます。

<実践内容>第3ステージ

お待たせしました‼️2学期に入ったら,いよいよお金の登場です。
手作りでもかまいませんし,人◯ゲームのお金を,少しアレンジして使うという手も・・🤫笑
これまでポイントでやっていた事をお金に変換するタイミングは10月の半ばあたりです。1学期同様に会社での活動をスタートさせます。少しマンネリ化が起こりますが,それでOKです。1ヶ月半後の総会で,ポイントではなくお金を使うという事を知らせて,同様に子どもたちに用紙を配布して,クラスのために頑張っていた会社に3つの会社に1人ひとりに与えられた金額を理由を添えて投資してもらいます。結果を集計&公表し,封筒に入れた金額を社長に渡します。本物ではないとは言え,それでも子どもたちはかなり盛り上がります。給料💰‼️と言って,同じ会社のメンバーに配る子も出てきます。

ここで,お金の使い道のルールを共有します。もらったお金はクラスの仲間かの信頼の証であり,応援の気持ちを可視化したものであると伝えます。そして,そのお金を使ってもっともっとクラスのみんなに貢献したくなる仕組みを降ろします。

それは,これまで自由に使っていたものを「有料」にしてお金の使い道を作る事です‼️

<有料にするもの>
・画用紙(色付きは少し高価に設定)
・折り紙
・印刷(枚数や大きさによって変動)
・空きロッカーの使用
・掲示板の使用(場所や面積によって値段を変える)
・マーカーの使用(月毎のサブスク)
・先生にイベントなどの相談(コンサル)
・学級活動の時間(※プライスレス)
(※ここはまだ高額に設定して買えないようにするのがポイント😎)

お金をもらうと,子どもたちは使いたくなるものです。投資してもらったお金で会社が更なる飛躍をできるようにたくさん言葉がけをしましょう‼️

途中で新しく会社を立ち上げたいという子が必ず出てきます。もちろんOK‼️
ただし信頼はゼロからです。しかし,前の会社で給料として自分のものになっているお金は新たな会社の資金として使うことも可能です。
また,一人でやりたい‼️という子も出てきます。そういう子には「個人事業主」になってもらいます。個人でやる分,ペンの使用や掲示板使用に関しては少し割引してあげるなどしても面白いです。

2学期中に頃合いを見て会社総会を開く
学期の半ばと終わりに2回「会社総会」を開いて,投資を募ります。コツコツと頑張る会社,大きなイベントを狙う会社,何もしない会社・・・
いろんな会社が出てきます。2度の投資を終えると,3学期は学級活動の時間を買い取れる資産をいくつかの会社が持つようになります。

<実践内容>第4ステージ(最終)

3学期に入るといよいよ最終ステージに突入です‼️
これまでの集大成として自分たちでイベント作りを水面下で推奨します笑
作った作品の展示会を開いたり,発表会を開いたりいろんな事を子どもたちは始めます。

・2学期までに貯めたお金を全部使って,学年の掲示板をこれまで描き上げたイラストで占拠して個展を開いた(6年生)
・お金を払って休み時間に音楽室を借りてピアノ演奏会を開いた(6年生)
・有料のルービックキューブ教室を開いた(5年生)
・お絵描きイベントを開き,そこで手作りグッズを売った(なんと4年生)

などなど,とにかくいろんなアイデアが‼️
特に最後のお絵描きイベントでグッズを売った4年生がとにかくすごかった‼️
このイベントのために1ヶ月間いろんな準備をしていました。2学期までに貯めたお金で,イベント用の塗り絵をたくさん自分たちで作成しました。もちろん紙を購入して,有料で印刷をしました。そして学級活動の時間を買い取ってイベントを開いたのです。好きな塗り絵を選んで,クジで引いた決められた色しか使えないというなんとも素敵なアイデア😆可愛いキャラクターが悍ましい色になったり,怖いキャラクターが可愛くなったりしていました。参加した子どもたちも楽しそう‼️

忘れてはならないのが,そこで手作りのプラ板のキーフォルダーを販売して収益を得たという事実です‼️イベント後に,たまったお金を数えて
「最初より増えてるーーー‼️」と驚いていました。
楽しかったしお金が増えたし・・・もうウハウハ状態でした。

クラスの中で「お金」が流通したことに,私も興奮が止まりませんでした‼️
長い時間をかけて取り組んできた「会社活動」そのものが「お金」の学びにつながっている・・学級経営と一緒に仕組み化することで,単発の知識を得る授業ではなく「自分ごと」としてお金の事を考える事ができることに大きな可能性を感じました。

<エンディング✨>

「学級経営 ✖︎ お金の学び」の実践‼️ということで,具体的な実践例を紹介しました。そんなに上手くいくの⁉️と疑問を持たれましたか⁉️

その通りです。そんなに簡単にいくわけではありません。私自身も4年をかけて実践をしてきました。失敗した年もありました。上手くいった年でも,多くの困難がありました。次回の「解説編」で,どのような工夫をしたのか,どんな失敗をしてどうやってリカバリーしてきたのか,子どもたちにどんな力がついたのか・・・その辺りを書いていこうと思います‼️



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