理想の休日、リソキュウ

土曜日にツイッターの映画界隈で話題に上がっていた「密輸1970」を観にいった。ド田舎の映画館なので、正直上映されないかも…と思っていたが1日2回やってくれていたので笑顔で夕方のチケットを取った。

当日、セミの声で目が覚め直感的に「(9時…だな…もう少し寝てもいいけどなんか目が覚めちゃいましたね…やれやれ…)」と思って時計を見たら12時でめちゃくちゃ寝てて面白かった。

14時に家を出れば映画には間に合うので、だらだらと準備をし、
とりあえず軽く掃除をして洗濯物を干すなどした。

1時間かけて運転し、映画館のあるショッピングモールに着いた。
映画までまだ時間があったので、適当に買いものをしてサイゼリアに入った。

一人用の席でいいのに、店員がめちゃくちゃ笑顔で6人掛けのソファー席に案内してくれて、え?と思ったけど座った。

そのすぐあとに来た2人組には、なぜか狭い席を案内していたので、「(私には見えていない付き添い人が… ?)」と思ったけど怖すぎるので考えるのをやめてピザを食べた。(ティラミスも食べた)

サイゼとミスドでしか見かけたことがない、山ぶどうスカッシュを飲んでいると後ろの席の高校生?の男の子たちが「King Gnuって元カノ何人いるのかな?」「そりゃぁ…片手じゃ足りんちゃなかと?」とかいう会話をしてて面白かった。

食事を済ませ、映画館のあるフロアまで向かっている途中、なぜか知らないおばあちゃんから「すみません、ダイソーはどこにありますか?」と聞かれたのでダイソーのある場所まで連れて行った。

「おばあちゃん、ここですよ!」というとおばあちゃんは「あぁ〜あ〜」と言いながら小刻みに震え出し、何も言わずにその振動を利用したままダイソーの中に消えていった。

すご……!と思った。

道案内を済ませ、シアターに入りシートを下げると、ポップコーンがザザーッ!と流れてきて思わず下を向いて笑った。2〜3粒とかだと嫌だけど、多すぎると逆に面白かった。まだ予告も流れていなかったので、スタッフさんを呼んで掃除してもらった。

「密輸1970」が、かなり面白くて久しぶりにワクワクしながら鑑賞した。こんなに面白いのに4人くらいしか観客がいないのは勿体ない!と思ったけど、現実はそんなもんよね…と思った。

密輸1970

映画を観終わり、せっかく市内まで来たので、ついでに別のショッピングモールをはしごして適当にブラついていると、過去に欲しかったサンダルが半額になっていたので店に入ってから約1分の速さで購入した。

あまりの速さに店員が驚いていたので「あ!いや!前にZOZOTOWNで見ていて!欲しかったので!あの!その!」と言うと、満面の笑顔で「そうなんですね!最高のタイミングでお買い求めくださってありがとうございます!」と言われ、その眩しさに思わず定価で買おうかと思った。まぁ半額の値段で買いましたけど………….

欲しかったサンダルが、欲しかった色・サイズで、半額で買えた。
気になって観にきた映画が、予想以上に面白かった。
(しかも、ここだけの話….シネマポイントを使って無料で観ている…….)

幸せすぎて怖くなった。
幸せに横着してはいけない!思い、車内で「(調子にのってはいけない、同じくらいの悪いことが起こる可能性もあるんだぞ...)」と己を戒めながら運転したのでノー事故で帰路に着いた。

早めにお風呂を済ませ、YouTubeを見ながら洗濯物を畳んでいるとライターの友人から電話がしたいと連絡が来ていたので「いいよー」と返した。

通話をすると、かなりブルーになっている様子だった。
思わず何があったのか聞くと、

友「なんかさぁ…久しぶりに思い出したんだけど…俺、10年くらい前にさ…付き合っていた女の子に口が臭いって理由で振られたんだよね…」

さ「あ〜そうなの?(何の話?)」

友「その時はさぁ、ごめんって感じで謝ったんだけど…生理的に受け付けないから別れてほしいって言われて…」

さ「あら〜それは…(何の話?????)」

友「でもさぁ!その後に友達としては面白いから別れても友達でいて欲しいとか言われてさぁ!!生理的に受け付けないってさっき言ったじゃんか!と思ってめっちゃムカついてさぁ!!!」

さ「おん、おん…(何の話?????)」

友「しかもラブホで寝てる時に言われたんだよね………振るならホテル入る前に振って欲しかったよ……」

さ「いまだに引きずってるの?」

友「いや、全然。それはないんだけど当時は全然ムカつかなかったのよ。俺その子のこと好きだったから、あ〜なんか悪いことしちゃったなぁ…別れたいって言ってるから素直に別れないとなぁ…って思ったんだよね。」

さ「うんうん」

友「でも今日久しぶりになぜかそのことを思い出して、なんかめっちゃムカついてきてさ。なんで後からこんなムカつくんだろうって思って!!」

さ「なるほどね〜(マジで何の話?????)」

友「あ!!!あと白石一文の一億円のさようなら読んだことある?」

さ「(突然すぎる….)」
「いや、ないね〜。白石一文は火口の二人しか読んだことないと思う。」

友「あれ俺好きなんだよね〜、読んでほしいから読んで!」

さ「わかりました!」

友「じゃ寝ますか!」

そういって彼は電話を切った──

何なの??????????

というわけで今日は歩いて図書館に行ってきました。

図書館で本を読んだり借りるのが苦手(潔癖とかじゃなく汚したりした時の罪悪感に耐えきれないので変に緊張してしまって疲れるから)なのだけど、こういうのは早めに克服したほうがいいし、いい機会なので早速勧められた本を手に取った。

白石一文「一億円のさようなら」

結構人がいて、本は読まずに勉強をしている人がほとんどだったので、少し間を空け窓際の席で、一億円のさようならを読み始めた。

集中して読んでいると、キッズコーナーから可愛らしい坊やが私のそばに来て、それはそれはかわいい声で「ちゃいちゃんは、モロヘイヤって言えるんだよ!」と言ってきた。

私が「モロヘイヤ?モロヘイヤって言えるの?」と言うとその坊やはニコッと笑ったかと思いきや急に怪しげな顔と悪そうな声で「もろこしも言えるの…」とか言い出してめちゃくちゃ面白かった。

笑いを堪えつつ、「すごいね〜!」と笑い返すと急にスンッ…….と真顔になって逃げるように親のところに駆けて行った………..

どうして……どうして…….

でも面白かったから、OKです!

気を取り直して読み進めると今度はどこからか「何でや〜〜〜〜〜〜〜〜!どうなっているんだ〜!!!!!!」という声が聞こえてきた。

声のする方を見ると、作業服を着た謎のジジイが図書館内で大声を出しながら歩き回っていた。(これは愛称込めてジジイと書いています。)

「(な、なんぞ??)」と近くの席の人と顔を見合わせながら様子を見ると、

ジジイ「美味しんぼ!この図書館にはなんで美味しんぼが置いてないんだ!あんまりだ!許されない!何?!!置いてある?!どこにだ!探したけどなかったぞ!あぁー!!わかった!!泥棒だ!泥棒が美味しんぼを盗んだんや!窃盗や!!あかん!あかんで!」

と叫んでいた。

慣れているのか司書さんが「え〜〇〇さん。美味しんぼ、ちゃんとありますよ〜!ほら〜!」と言って、美味しんぼをジジイに手渡すと「ほんまや!これはね!読まなあかんで!宝!宝や!!!」と言って借りて帰っていった。

日曜日の市民図書館、面白すぎる……………..

窓越しに満面の笑みで美味しんぼを抱え帰っていくジジイをみたが、彼は姿が見えなくなるまで笑顔だった。(よかったね)

残り30ページほどだったが、図書館が17時で閉まるとのことだったので、借りて帰った。ついでにもう一冊同じ作者の本を借りた。

(そして先ほど読み終えたが、あんまり好きな話ではなかった…………………..)

コーヒーを飲み、素直に「あんまりハマらなかったけど、ちゃんと最後まで読んだよ」と感想を送った。

(白石一文は、あまり性に合わないのかもしれない…もう一冊借りたから読むけど…!)

でも久しぶりに図書館という環境で読書ができて、楽しかった。
これを機にどんどん利用しようかな。

家に帰る途中で、完全に散歩を放棄して飼い主を困らせている秋田犬がいて最高にかわいかった。こういう景色はなんぼみてもいいですね。

特にオチはないのですが、自分はこういう土日が一番楽しくて理想なんだよな〜って思ったので書きました。

皆様もナイスなリソキュウ(理想の休日)をお過ごしください。

あと「密輸1970」面白いので、ぜひおすすめです!

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