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耳の痛いフィードバックをしてくれる人こそ大切に

みなさんこんにちは!
僕は越境人事として様々な企業の人事業務を横断的に支援する仕事をしているのですが、採用活動の一環でインターンシップの運営に入っていて最近お会いする学生さんたちに気になることがあります。

それは「フィードバックが苦手」なことです。

僕がつくるインターンシップのプログラムではグループワークやディスカッションなどで双方向交流する時間を多く設けるようにしています。
そのワークの最後に学びを深めるために「お互いにフィードバックしてください」と振り返りの時間を取るのですが…

「〇〇さんの笑顔が素敵でした!」
「〇〇さんが意見を出してくれたので進みました、ありがとうございます!」

うんうん、よかった点のフィードバックね。

「〇〇さんが書記を引き受けて下さってまとめてくれたのが助かりました!」
「〇〇さんがタイムキーパーしてくれたので時間を守れました!」

いや、そのふたりはあまり話し合いに参加してなかったと思うのだけど…

「〇〇さんがあたたかく見守ってくれたのが安心感につながりました」

いやいや、その人はほぼ一言も話してなかったよね。

そこで僕から「じゃあ、続けて直した方が良い点のフィードバックもお願いします」と全体に声をかけると

「・・・」

…誰も話し始められない。

こういう場面に遭遇します。

良いことや褒めることはできるけど、「ダメ出し」が出来ない。
相手の課題が思いつかないわけではないんです。
内心思いついていても口に出せない。

なぜ改善点のフィードバックができないのか、個別に聞いてみました。
「嫌われたくないから」
「嫌な人だと思われたくないから」
「場の雰囲気が悪くなるのが嫌だから」

僕は参加して下さった学生さんたちに「今日って何のために参加してくれたんだっけ」という投げかけをしました。
「ただ褒められに来たの?それとも、成長したいと思って来たの?」
みんな学んで成長するために来たとのこと。
「ここにいるみんなの目的は一緒。成長する為に本人が気づいていない良くなかった点を教えてもらえるのはありがたいこと。みんなそうだよね」
全員がうなづきます。
「じゃあ、これからもっとこうした方がいいと思うという話をお互いにするけど、個人として嫌いになったり嫌な気持ちにならないってお互い約束しましょう」

ここまで導線を敷いてようやく課題のフィードバックが始まりました。

事例として、学生さんのインターンシップを取り上げましたが、これは若い人に限ったことではありません。
組織の中でも本質的なフィードバックを出来ない人が増えていると感じます。
上司・先輩として後輩へのフィードバックが「褒めるだけ」になっている。
なぜなら「嫌われたくないから」「ハラスメントだと言われるのが怖いから」など。

前述した学生さんたちのケースにも共通しますが、
・フィードバックの目的
・信頼関係の醸成

抑えるべきはこの2点であり、個人的な好き嫌いの話ではないのです。

組織におけるフィードバックは本人の成長を促し、チームの目標達成や業績向上に繋げるため。
それはダメ出しにより短期的にはストレスになったとしても、課題を教えてもらえないことの方が中長期では本人にとってマイナスになります。

また、そもそも相手との信頼関係が醸成出来ていない場合は仮に褒めたとしても嫌な感じに相手が受け止めることもあります。
結局のところフィードバックが褒めかダメ出しか、という「何を」(内容)の問題というよりも、「誰に」言われたかによって受け止め方が変わるのです。

普段の交流を通じてしっかり信頼関係が醸成できていれば、課題点を率直に伝えるフィードバックも本人にとってありがたいものになります。
また、初見の人たちの集まりなどでのワークの場合は「何のために今日集まっているのか」という互いの共通目的を確認することで正しいフィードバックができる環境になります。

なぜ今日フィードバックの話題を取り上げたかというと、年齢を重ねるに従って「勘違い」する人が増えるよなーと最近感じたからです。
人から叱られなくなった=自分が出来る人間になった、かのように勘違いし、横柄でデリカシーのない態度をする人に時折出会いますが、それは別に自分が完璧になったのではなく、単に周囲が年齢や肩書を気にして「言いづらい」だけということを自覚しておいた方がいいと思います。

僕自身、良くないことを良くないと率直にフィードバックしてくれる人を身近に置くことを大切にしています。
それは必ずしも歳上ではなく、歳下でも率直に伝えてくれる信頼している友人がいます。

どんなに意識していても無意識に驕りが出てしまう場面があると思うので、褒めてくれるだけではなく、ダメ出ししてくれる人を大切にした方がいいと個人的に思います。
みなさんは身近にちゃんとしたフィードバックをしてくれる人がいますか。

最後まで読んでくださってありがとうございます。
それではまた明日!


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