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【組織創り】 性善説な組織でも、魔がさす環境を作らないのが大切だと思う

「ウチの会社、悪い人いないのが自慢なんです!」

そう胸を張る会社・チームは素敵だなーと思う一方で、そんな性善説ベースの組織に起こる落とし穴をこれまで何度も見てきました。
今日は僕が実際に経験した性善説組織に起こりがちなリスクのお話です。


「財布が…ない」

スタッフの財布が無くなるという事件が発生。
財布を保管していたのは従業員専用のロッカールームでお客様や部外者が入ることができないスペースでした。

この会社、プライベートでも頻繁に遊びに行くほどスタッフ同士の仲が良く、組織づくりの考え方も基本性善説。経営者も「うちには悪い人がいないことが自慢」と胸を張っている組織だったのですが…
事件発生後、対応を協議するため幹部が集められたものの、その空気は重苦しいものでした。
それはそうですよね、悪い人がいないという共通認識を持っている会社で起きた内部犯行濃厚な「窃盗事件」なわけですから。

財布がなくなった当日のシフトや出勤状況、みんなの動きなどを細かく聞き取りしていく中で、結果としてとある社員による犯行であることが明らかになりました。

問題を起こした社員は普段後輩からも慕われていて、全くそんなことを起こすように思えないと皆ショックを受けていたのですが、本人に動機を確認してみると「お金に困っていた」とのこと。

犯人が見つかり、財布も戻ってきたので事件としては解決なわけですが、問題はここからです。
組織として「性善説」な価値観をベースとして成長してきたこの会社の社内はメンバーたちの動揺と疑心暗鬼が広がっていました。


では、実際どのようなシチュエーションで財布が盗まれたのか。
従業員ロッカールームにはスタッフであれば誰でも入ることができロッカーには鍵が掛かっておらず、財布が盗まれたスタッフに至ってはロッカーを開けっぱなしにしていたのです。

犯人の社員はたまたま自分が着替えていた時に隣のロッカーが開いていて、財布が剥き出しで置いてあったのが目に入り、盗んでしまったとのこと。
本人曰く、「魔がさした」

僕はこの状況が生まれたのを目にした時、盗んでしまった社員が悪いのは当然ではあるものの、ある意味「被害者」でもあるなと感じました。
性善説をベースに「ウチの会社には悪い人なんていない」とみんなが思っていたことから鍵をかけない・ロッカーは開けっぱなしなど、無防備極まりない環境になっていたところに、たまたまお金に困っている事情を持つ社員が遭遇し、財布を盗んでしまった。

「魔がさす環境」だった為に、生まれる必要のなかった犯罪者をよりによって仲間から「生み出してしまった」のだと思います。
ロッカールーム自体が施錠されており、誰でも入れるわけではなく入室が管理されていて、各自のロッカーも鍵や暗証番号によってしっかりロックされていたとしたらこの社員の目に財布が入ることはなく、盗むことも出来なかったはずです。


性善説な考え方自体は僕自身も好きですし、それが組織全体に浸透していることは素敵だなと思います。
ただ、だからと言ってセキュリティや危機意識が薄い「魔がさす環境」にしてはいけません。
本来生まれる必要のなかった犯罪者を生み出して誰かの人生が狂い、組織が大切にしている価値観も根幹から崩れる原因となってしまいます。

もし、皆さんの組織やチームが性善説ベースで「うちには悪い人はいない!」と胸を張って言える仲間たちが集まっているとしたら、「魔がさす環境」が社内にないか確認してみることをおすすめします。

それでは今回はこのへんで。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!


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