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【同棲日誌】美容タイムに潜む敵

「ふぅ~~~さっぱりした~~~~~」

お風呂上りは女子が最も素になる瞬間だ。
1日のいいこと、ちょっと反省しないとなと思ったことを振り返りながら、なんとなく物思いにふける。
このおひとりさまタイムが好きなのだ。

今日はお風呂あがりにもう一つの楽しみがある。
それは美容パック
1枚がそれなりの価格なので何か使うべき理由があるときにしか使用しない。
今回は乾燥で肌が粉吹いてきた&赤ニキビがでてきたから、まさに「君の出番だ!!!!」とばかりに喜び勇んで封をきる。

封切りをしたパックは、いかに素早く、いかに空気を含まずに顔面を覆えるかが重要だ。
スマートフォンの画面の保護フィルムを貼るときの、あの集中力をここで如何なく発揮する。何なら、顔面は凹凸のオンパレードなので、難易度はさらに高まる。

美容液がたっぷり浸み込んだパックを液がこぼれないよう慎重に広げる。
顔面が見えてきたところで、えいや!とおでこから貼り付けていく。
全面を覆った。今日は無駄なく貼れた…!勝ちや…!

と、喜んだのも束の間

トイレを済ませた彼が洗面所に乱入する。これはまずい。
なぜなら彼は私がパックをしていると、しょうもないボケや変顔を全力で披露し、私の築き上げた牙城を潰しにかかるのだ。

今回もにやっとしたが最後、渾身の変顔を惜しみなく披露する。
三日月のごとく顎を突き出して、目を白目にするときもあれば、
全顔面パーツを中央に集合させてみたり。
彼の表情筋の柔らかさから生み出される変顔はレパートリーが豊富だ。何がくるのか全く予想がつかない。
私はもっぱら彼の変顔に弱い。あと、この必死になって彼女の能面を崩そうを必死になっているカオスな空間がさらに私の表情筋を刺激するのだ。

ふっ。。。。ふふっ。。。
私は鼻息の抵抗で必死だ。
表情筋がどんどん上向いてしまうのを阻止するべく両手でそれを抑える。
だが、意に反してどんどん気泡が広がっていく(笑)。

ぷるぷると笑いをこらえている私が余程面白かったのか、最後は彼がこらえきれなかったようで腹を抱えて爆笑していた。3分の戦いが幕を閉じた。

戦のあと残ったのは笑い転げる彼の姿と、
凸部分に気泡が入りまくった意味のなしていないパックを行う私の哀れな姿だった。

次回はどうか被りませんようにと願うさしみであった。

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