素人読書感想文『成瀬は天下を取りにいく』#3

 共感シーン・後編!!
 前回までの感想もご一読いただけますと幸いです。

※ この先、小説の内容が含まれます。

↓前回までの感想はこちらです。

共感シーン・後編

 後編では「ときめき江州音頭」から2つ。

③遠慮する道理はない。

どうも嫌われているらしいのだが、成瀬は大貫が嫌いではないため、遠慮する道理はない。

「ときめき江州音頭」

 成瀬が大貫を見つけて話しかけるシーンでの一節。
 これも「成瀬らしいな」と思わせてくる場面かと思うのですが、それと同時に「成瀬つよいな」って。

 感想#2でも大貫について述べた通り、私はこの境地にたどり着くまでにいくつの年を重ねてしまったか…。てか、分かっていても実行できないですね。わざわざ嫌われていると分かっている相手に話しかけるなんて。

 結局、「相手を好きか嫌いか」を測る尺度の一部に「相手から好かれているか嫌われているか」が少なからず含まれると思うんです。従属変数。違ったらすみません。私はそこを割り切れるほど強い人ではありません。

 比べて成瀬はどうだ?
 ちゃんと自分は自分、相手は相手で区別して考えるし、それをちゃんと行動に移せる。独立変数。それを、高校生の思春期真っ只中でやってのける姿に成瀬の真の強さを感じます。

 もしかしたら、その強さに心打たれてこうして感想を述べているのかもしれません。

④気まずくなってたっけ?

「わたしたち、気まずくなってたっけ?」

「ときめき江州音頭」

 私は、ここが一番好きかもしれない。
 どのシーンの話かは語るまでもないと思うくらいには。

 上記の③の話にも通じるところがありますが、人間関係で感じる気まずさも、自分のコンプレックスと同じように、得てして一方的なものであることが多々あるよなと思っています。その意味で、かなり共感しました。

 特に、この一言で成瀬は自身の思い違いに気づくわけで。これまでと変わって、成瀬が助けられる側になる瞬間であることも、共感とともに強く印象づいた要因のひとつかもしれません。

あとは…

 とりあえず、読了1回目で感じたところはこんな感じでしょうか?

 あとは、勝手に思い入れている一部キャラクターについてまとめたい!!

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