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親切な暗殺 #毎週ショートショートnote

「今日のターゲットは?」
 ビルの屋上。いつものように淡々と準備をする俺の後ろから、問いかけが聞こえてきた。
「ねーえー。無視しないでよ」
 放置しすぎれば、面倒なことになるのがわかっている俺は、嫌そうな素振りを振りまきながら徐ろに声のする方へ振り返った。
「仕事中は話しかけるなと言ってるだろう」
「いいじゃない、誰もいないわよこんなとこ。それで、誰なの?」
 金髪碧眼で、真っ白なワンピースを着た女が、しつこく質問を続けてくる。きっと、世間的には絶世の美女といったところだろうが、今の俺にとってはただただ邪魔なだけだ。
「……製薬会社社長。裏で違法薬物販売。巨額を手にしてるって話だ」
「ふぅん。まさに、極悪人!って感じね」
 中身のない返事を無視しながら、俺は仕事の準備を進めた。
 仕上げに、銀の弾丸を取り出し、念を込め、ライフルに装填する。
「それ、ホントに意味あるの?」
「……実行後に魂だけ残るのは困るからな」
「お優しいこと」
 満足したのか、自分にまた銃口が向けられそうだと思ったのかは知らないが、気づくと女は姿を消していた。
 俺はため息を吐き、ターゲットのいる方向へライフルを構えた。


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 たらはかにさんの以下の企画に参加しております。

 親切な暗殺、ときくと『ある優しき殺人者の記録』という映画を思い出しました。大好きな映画ですが、そんな話とは全く関係なく、自分なりの『親切な暗殺』を書いています。男と女の関係性や、女がどんな存在か、上手く伝わったでしょうか?

 試しに、BingのAI(Copilot)のほうでイラスト出力したら、かなり想像していたのと近いイラストが上がってきた感動で、思わず挿絵として追加してしまいました。こういうの苦手な方がいらっしゃいましたらすみません。

 この二人のお話、もう少し書いてみたいと思い。こっそり掘り下げようとしています。発表まで至るかどうかわかりませんが、もしお目にかかる機会があれば、その時はよろしくお願いします!

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