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カフェ4分33秒 #毎週ショートショートnote

「『静寂と平穏を愛する人のための純喫茶』が、取材なんて受けてくれるわけないですよ!」
 新人記者の小町こまちは、さっきの会議で手渡された資料を片手に、編集長に泣きついていた。
「上の決定だ。意地でもなんとかしろ! 次また失敗したらクビだぞ、クビ」
「そんなぁ……」

 ――都会の喧騒から少し離れた郊外。閑静な住宅街に佇むその店、「カフェ4分33秒」に小町は訪れていた。玄関には『未成年、2人以上、飲酒後の入店は全てお断りします』と書かれた看板が掲げられている。

 小町は、自分が記者であるとは明かさず、普通の客を装って入店した。
(すごい、本当に静かだ)
 店に入った瞬間、その静寂と独特の雰囲気に圧倒される。

「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ」
 小町がたちぼうけしていたところに、店主と思しき、眼鏡を掛けた小綺麗で細身の男が静かに声をかけた。小町は慌てて会釈をしながら、入り口近くの席に座ろうとしたのだが、その時、外からけたたましい音楽が聞こえてきた。

 軍歌だ。真っ黒な街宣車が店の前を通っていくのが見える。
 さきほどの店主が「申し訳ございません」と店内に向け謝罪をし、店の外へ出ていった。
 次の瞬間、さっきまで走っていた街宣車が音も立てず、ペシャンコになった。静けさを取り戻した店内で、小町は目を見開いたまま静止していた。何が起きたのか分からず、パニック状態に陥っていたが、声を上げるのは何故かためらわれた。

「お客様」
 店主が、いつの間にか店内に戻ってきていて、小町に話しかけてきた。
「当店、取材は全てお断りしております。もし書かれた場合は――」
「し、失礼しました!」
 男が喋り終わる前に、小町は慌てて店を飛び出した。

「……辞表の書き方でも調べるか」
 小町は重い足取りのまま、会社に帰っていった。

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たらはかにさんの以下の企画に参加しております。

結構文字数オーバー。う~ん申し訳ないです!

今週のお題は、皆さん凄く綺麗で素敵なお話が多くって、凄いなぁと関心しっぱなしでした。へいたさんの作品なんて、もうあっぱれ!ですよ。

そんなみなさんの素敵な作品に対抗して、ちょっと元気でおバカなお話を書いてみたいなと思い、新米記者の小町ちゃんに登場してもらいました。ちなみに、脳内設定的には下の名前は弥生(やよい)ちゃんです。静かなカフェだったのであまり喋らせてあげられませんでしたが、もっと書いてみたいキャラクターになりました。

ちなみに、このカフェの店主が何者なのかというと――(文章はここで途切れている)

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