第6回ホラー・ミステリー大賞(アルファポリス)開催中
私が隠れファンをしております渡瀬水葉様の二作品が、アルファポリスにて開催中の第6回ホラー・ミステリー大賞にエントリーされているので、勝手に宣伝いたします!無茶面白いのでぜひ読んでいただきたい。
(あらすじお借りしました)
ぼくと母さんを残して父さんが殺された。ネットで凶悪犯の汚名を着せられて……
『聖なる大河の会』という団体が経営する『道場』で死体が発見された。
良真の父・三加茂重彦が重要参考人として手配される。
やがて『聖なる大河の会』では会員の虐待や保険金殺人疑惑があったことが判明し、その罪がすべて三加茂重彦の仕業としてネットで取り上げられた。
被害者からの報復を叫ぶヤクザ者によって三加茂重彦は刺殺されたにもかかわらず、いつまでもネットで叩かれる。
その矢先、良真の母親・さつきは何者かに誘拐されてしまう。
エンタメミステリーとしてもぐいぐい読ませる一方で、現代世相を敏感に切り取って反映した内容となっているのがまたすごい。カルト集団の存在や、加害者・被害者の立場に置かれた人の心理的葛藤にスポットを当てつつ、極めて現代的な解決策を織り交ぜるという離れ業をやってのけていて、見事としか言いようがありません。私がやろうとしたら絶対カオスに陥るに違いない要素が、びしっとはまっているこの構成…いやーすごいな…
それと同時に、主人公の良真の葛藤と健気さ、そして友情が丁寧に描かれていて、幾度も目頭が熱くなります。
二作目はこちら。
(あらすじお借りしました)
陰鬱な孤島に身を寄せた逃亡カップル。孤島はある惨殺事件の舞台だった
かつて男爵の爵位を持っていた我聞(がもん)家の末裔、我聞円(まどか)
同棲しているホストのエイジと共に最後に残された別荘がある「ろくろ島」へ渡る。
エイジがヤクザ青龍会に目をつけられての逃避行だった。
ろくろ島にはむかしから悪霊や呪いにまつわる因縁話があり、円の曽祖父(我聞善厚)が島と別荘を継承するきっかけも「接合双生児惨殺事件」である。
廃屋となっている別荘でエイジと円は古い手製のノートを見つけて読みふける。
ノートは明治時代にその屋敷で暮らしていた接合双生児の兄・古城高男が記したものかと思われた。
こちら、ホラーでありミステリーであり群像劇であり…といくつもの要素を併せ持つ作品です。孤島に追い詰められた主人公たちの絶望感もさることながら、我聞家の血生臭い日記がさらに恐怖を倍増させます。現在と過去を行き来する内に、現実の境界が失われていく感覚がたまらない。人間の業の深さと、愛と妄執を堪能できる重厚な作品です。
ぜひご覧になってみてください!
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