黒砂糖の詩
ただ今日という日を仰ぎ見んことを!
明日も我が身よ健やかなることを!
口寂しさは備えてあるというのに
飲んでも渇く夢のように
心現実にあらず!
掬うておるのに森の声が届かぬ
腹は食えば満たされるというのに
なぜ此れを満たす食いものが見えぬ
獣も泣くというのか!
食えぬ!
食えぬ!
食えぬ!
「どうして泣いてるの?」と聞かれても
赤子だってわからんから泣くのじゃ
お乳か?
おねむか?
よしよしか?
泣くのじゃ!
泣くのじゃ!
我!一頻りに泣くのじゃ!
汝、濡らせ!濡らせ!
荒れた星にひと粒の米があるというのか
何を当たり前のことを!
なぜ今日は手帖を放れば癒えるのじゃ
明日も這いずり回ればよいのか?
どういうことじゃ
なぜ草はらから黒砂糖の香りがする…
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