詩│ピラミッド


1.画策

歴史に足を引っ掛けて
彼が転んで擦りむいたら
ぼくは歴史に傷をつけ
名を刻むことになるだろうか

そんなことはしたくないな

だったら誰も傷つけない
ピラミッドでも作ってやろう


2.ピラミッド

軽くて薄いが便利とか
10分前が礼儀とか
風で吹けば飛ぶような
藁葺きの小屋は要らないよ

一生かけて積み上げる
河原の傍のピラミッド
10メートルにもなるその巨漢
例えバカだと言われても
石造りが丈夫に決まってる

だけど一人じゃ10メートル
二人で力を合わせれば
15メートルにもなるんだよ
そんな数字も所詮道具
巻き込みたいから言ってるよ

川の流れが変わるのも
地図に乗るとかの話じゃなくて
十年、百年、何千年
死んだ後も滅びた後も
ぼくたちの生きた爪痕が
風で吹いても飛ばされないで
残るのってなんか素敵じゃない?



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