#140 オランダの雨上がりは5分刻み?
今回と次回で、本格的に始まったオランダでの暮らしについて、旅行ガイドブックには書いていないようなことをご紹介しようかと思います。今日は、オランダには欠かせない自転車と、そして「雨上がり」の話です。ヘッダ写真は、近くの花屋さんで売っていた「梅雨のプレゼント」の紫陽花です✨
オランダは自転車大国!
「オランダといえば?」と色々な人に聞いてみたいです。どんな答えが返ってくるでしょうか? おそらく、「チューリップ」「風車」「ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ」「ミッフィー」、そして「自転車」ではないかと思います。
ドイツの大学で送別会をしてもらった時に、「オランダへ行ったら、自転車買わなきゃだよ!」と言われて、そうなのかなあ……と思っていたのですが、本当にそうでした。大学で事務手続きをした時に、「バスの定期券について聞きたいのですが……」と言ったところ、「バスのことはよく知らないわ。みんな自転車だから」と言われてしまい、実際にバスの時刻表を見ても、最初に住んでいたホームステイ先と大学を結ぶ路線のバスは1時間に1本だけでした。
これでは身動きが取れないと思い、市内で有名なレンタバイク(旅行者ではなく在住者向けに、月極で自転車を貸している)屋さんへ行き、なんと大学時代(1992年入学)以来32年ぶりに「自分の自転車」を手にしました。1ヶ月3,500円ほどなので、とても手頃です。諸外国には日本のいわゆる「ママチャリ」はないのですが、オランダにはあります!僕の自転車も、ちゃんと前カゴがついているママチャリです。このレンタバイク屋さんの自転車は、前のタイヤが青いのが特徴です。
自転車であちこち動くようになってしまうと、バス+徒歩には戻れなくなります。車と違って止める場所に気を遣う必要もなく、オランダではヘルメット不要と明記されています。大学の先生たちもほとんどが自転車通勤なので、朝夕は大学のキャンパスは自転車だらけになります。同じくみんな自転車通学だった筑波大学時代を思い出しました。
今の職場の建物には、降雨時に自転車が濡れないように屋内駐輪所が地下にあります。外からスロープを下ったところにある入り口は自動ドアで乗ったまま入れ、駐輪所フロアからオフィスまでエレベーターで直接上がれるようになっています!
街中の道路も自転車を考慮していて、道路も信号もなんと、「車用」「自転車用」「歩行者用」の3つに分かれています。自転車道は赤い舗装になっているので、すぐにわかります。車線も分かれており、追い越す時は左からとルールも明確です。自転車専用のラウンドアバウト(環状交差点)もあるほどです。
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雨の中でも自転車?
そんな自転車社会なオランダですが、自転車で移動する時に問題となるのが、天気です。ヨーロッパは全体的に雨が多く、天気の日内変動も激しいので、濡れずに自転車移動する術が必要になります。ちゃんと解決法が用意されていました。
ある日、大学を出ようと思った時に、急に雨が降り始めました。「困ったな……レインコート持ってないし、自転車おいてバスで帰るかな……」と思っていました。すると同僚のオランダ人がこう言ったのです。
狐につままれたような気分になりましたが、本当に20分すると雨が止み、みんな帰宅していきました。「どうしてそんなことが分かったの?」と聞くと、あるアプリを見せられました。2時間以内の短期予報専門のアプリで、なんと5分刻みでの降雨量予測が出ていて、かつ精度が高いのです!ちなみに「明日の天気とかは、こっちのアプリの方が正確」と別のアプリも教えてもらいました。両方ご紹介します。
帰ったり移動したりしようとするタイミングで雨が降り始めたら、まずはアプリで次に雨が止むタイミングを調べて、その時間までは仕事の続きをしたり、おしゃべりしたりコーヒーを飲んだり、あるいはぼーっとしたりする。その時間感覚がなんだか心地いいな、と感じているこの頃です。
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オランダの雨上がり
雨上がりって、独特のにおいがしますね。あれがなんとも言えなく好きです。特に初夏、紫陽花の季節の雨上がりは、言葉では表現しにくい特別な趣があります。ヘッダ写真のように、オランダでも紫陽花の鉢植えが売られていました。今度買ってきて育ててみるのもいいかな、と思っています。
歩くより少し速いペースでの自転車での移動、車でも公共交通機関でもない移動手段で多くの人が移動しているのは、不思議な感じがしますね。自転車は電車にも持ち込め、ドイツやベルギー、フランスへ行く国際バスにも事前に申し込めば自転車を積んでもらえます。
そういえば、全交通手段の中で最もエネルギー効率がいいのは自転車で、そのことから「人間の思考に自転車を」(Wheels for the mind)というのが、米アップル社の初代 Macintosh コンピュータの開発思想だったな、と思い出しました。
今日もお読みくださって、ありがとうございました🚲
(2024年5月18日)
サポートってどういうものなのだろう?もしいただけたら、金額の多少に関わらず、うーんと使い道を考えて、そのお金をどう使ったかを note 記事にします☕️