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人と野生動物が共生する豊かな里地里山継承のために



さともんについて

 さともんは、正式には「特定非営利活動法人 里地里山問題研究所」といいます。2015年に篠山市(現丹波篠山市) で設立されました。人口減少と高齢化に直面する農村社会の持続可能性向上を目指し、特に獣害問題に注力しています。この課題に対して多様な人材を動員し、野生動物との共生を促進する新しいモデルを丹波篠山市と共に開発し、全国へ拡大する活動を展開しています。また「さとやまカレッジ」という人材育成プログラムを通じて、農村課題の解決策を考案し実行する若手人材を育て、実践的な力を養うことを目指しています。その他、農村の人と都市部の人を繋げるプロジェクトが多数あり、これらの取り組みは、「農村地域の活性化」という社会の問題を解決するために新しい方法やアイデアを生み出し、実践することを目的としています​​​。


2019年の6月にさともんと島根県邑智郡美郷町と獣害対策と地域活性化にむけた連携協定を締結。

 代表理事の鈴木克哉氏です。

 和歌山県出身です。ドラマ『北の国から』を観て北の大地に憧れを抱く。学生時代を北海道で過ごし、道内を自転車で一周した経験も。その知識の多さはもはや歩く北海道のガイドブックレベル。「北海道の事なら任せてください」とのことです。さともん設立以前は、兵庫県立大学兵庫県森林動物研究センターでニホンザルを専門に行政機関と連携して効果的なニホンザル被害管理手法を開発し住民支援体制を整備するなど、多岐にわたって研究され実績を残してこられました。2019年より一般財団法人ニホンザル管理協会理事。サルを愛し里を愛す、冷静かつとても熱いハートの持ち主。様々なプロジェクトを生み出し、そのアイディアの豊富さと引き出しの多さに圧倒されます。趣味は釣り、キャンプ、BBQ。(代表のお肉の焼き加減は絶妙です。)2人の娘さんのお父さんで、毎年それぞれの娘さんと父子2人旅行(沖縄や北海道!素敵!)されています。

これがさともんのロゴです。


 なにかの動物に見えてきますね。そうです。サルです。顔の中には3つの輪が隠れており、「モノ(もん)」「ヒト(もん)」「モンキー(もん)」をイメージして作られています。3つの「もん」が互いに調和するイメージでロゴが作られています。

ところで、どうして代表はサルの研究をするようになったのか、気になったので聞いてみました。

『北の国から』を見て北海道や北(アラスカとか)への憧れをいだいて、北海道大学に入って、自然の象徴的な存在である野生動物の研究をしたいと思ったんですが、入学したのは教育学部で・・・たまたま隣の文学部に野生動物を対象として研究できる研究室があり、そこの先生の門をたたいて大学院から文学研究科に入ったのがきっかけです。実際は教育学部のうちから通っていて、卒論も獣害で書きましたが。
 その当時の先生がちょうど青森県の下北半島でサル含めた環境調査のプロジェクトを始めるところで、「下北でサルをやらないか」と教育学部時代から言われていて、本当は「え?サル・・・?北海道でヒグマやエゾシカなどの大型動物の方がかっこいいな~」と内心思っていたのですが、断ると未来がないと思い、下北半島に通うことになったのが、きっかけです。 下北に行ったら行ったで、めちゃくちゃおもしろくて、この世界にハマりました。」

 北の大地への憧れから、大学を決められて入学!教育学部から文学部の獣害、「断ると未来がない」という切羽つまった決断が、のちに獣害のNPO設立に至るとは代表も思っていなかったのではないでしょうか。ちなみに代表は12月末は数日間、下北半島のサル調査に毎年行かれているそうです。そして、海鮮や郷土料理が本当に美味しいのだとか。下北半島についても詳しくて本当に知識の豊富な方です。

さともんが目指すビジョン

『獣がい対策で農村の未来を創る』

人と野生動物が共生する魅力ある農村の未来を創り、次世代に継承します。
 
 鈴木代表は「地域に与える負の影響から「獣害」と表記されることが一般的です。しかし、本来、野生動物は豊かな里地里山の構成員であり地域の魅力の一つ野生動物を駆除するのではなく、人と共生する多様な人材の参画により、新たな交流や共感を生む前向きな「獣がい対策」を推進し、地域を元気にすることを目指しています」と力強い眼差しで語られました。

イノシシが穴を掘って侵入してきた跡。
柵点検。集落外の都市部からボランティアと一緒に、
みんなで取り組みます!

 獣害の柵の点検や修繕は里のめぐみをまもり、人と野生動物が共存するためには必要不可欠なものです。広大な土地を取り囲む柵を見回るにはかなりの労力がいります。地域の人だけでなく、都市部からボランティアを募り活動しています。

さともんのプロジェクト

さともんが実施するプロジェクトには、以下のような種類があります。

  1. 地域の獣害対策の支援:これは市町村から受託する事業で、地域特有の獣害問題に対処する支援を提供します。

  2. 多様な人材参画による地域を元気にする「獣がい対策」の展開:このプロジェクトでは、様々な人材を巻き込んで、地域の活性化に貢献する「獣がい対策」を推進します。

    • 黒豆オーナー

    • ブルーベリーオーナー

    • 川阪オープンフィールド

    • 高校生を対象とした「獣がい対策」実践塾

    • 多様な人材で未来を創る「獣がいフォーラム」の開催など

  3. 野生動物生息状況の調査研究事業:このプロジェクトでは、地域における野生動物の生息状況を調査し、研究する活動を行います​​。

黒豆ファミリー 自分たちで育てる黒豆です。

里山の自然を未来の子供たちに

 里山には豊かな恵みとそれを育む自然の環境が整っています。遊具や玩具なしに、むき出しの感性のまま自然と触れる子どもたちは、大人が教えなくとも自分から意欲的に活動し始めます。大人にとっては「お仕事」でも、こどもにとっては「なにそれ!やってみたい!」のオンパレードなのです。そして一つの活動をしていく中で、まるで実家に帰ってきたかのような、一つの大きなファミリーのように輪がつながります。

川阪オープンフィールド。一輪車も押してみたい!やってみたい!

さともんのホームページはこちら↓

活動のより詳しい様子については、ぜひブログをご覧ください。

集落での週末ボランティアの募集はこちらのお知らせページに随時更新しております。


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