「なにもない?」久米川駅界隈に30年住んで気づいたこと
地元民から、とかく「何もない」と言われる久米川駅。
久米川駅界隈に30年ほど住んでいる筆者が、地域の魅力について考えてみました。
まずは久米川駅の概要からお届けします。
久米川駅の概要
久米川駅は、東京都東村山市栄町にある西武新宿線の駅です。
新宿からは、西におおむね25kmほどの場所に位置しており、西武新宿駅まで急行電車で約30分、逆側の終点である本川越駅までも約30分でアクセスできます。
(西武新宿線全線の所要時間で見て、ちょうど半分の場所に位置しています。)
駅には北口と南口が設置され、それぞれにバスロータリーが設けられています。
南口バスロータリーからは東大和市駅やJR立川駅へ向かうバスが発着し、北口からは清瀬駅やJR新秋津駅へ向かうバスが発着します。
久米川駅北口の改札前には、2024年3月にセブン銀行のATMが設置されました。
個人的には非常に便利になった印象で、大変ありがたく感じています。
久米川駅には、北口と南口の双方に商店街が存在します。
西友やマツモトキヨシ、マクドナルド、松屋など、大型チェーン店も存在しながら、個人店の存在感が強いことも特徴です。
目立った特徴はない久米川駅ではありますが、筆者は通算で30年ほど在住しています。
久米川駅界隈には、ほどよく生活感があり、華美すぎず、なじみやすい印象があると感じます。
「便利すぎないからこそ、それを自分の工夫でなんとかしていく」ことを楽しめるような雰囲気を感じています。
久米川駅には何もない?
しかし、久米川駅界隈に在住する知人たちに、地元の印象について話を聞くと、「なにもない」という答えが多く返ってきます。
(本当に何もないわけではないのですが、「なにもない」と評されることが多いような気がします。)
これが言葉通りに、本当に何もない町であれば人口は減り続け、衰退の一途をたどっていることでしょう。
先ほどの質問を投げかけた友人たちも、魅力的な町へ転居することが候補に出てきたはずです。
しかし、私も含めて、この町に住み続けています。
これは即ち、「なにもない」と言われながらも、長く住む人の多い町、という不思議な矛盾が発生することになります。
なぜ何もない町に長く住む人が存在するのか。
その言葉の裏にある真意は、どういったものなのか。
あれこれ考えてみたのですが、どうも答えははっきりしません。
なにもない日常の中に答えがあった
どうも分からないので久米川駅の周りをぐるりと散歩してみたところ、一つの仮説を思いつきました。
その仮説は以下のとおりです。
私たちが住む町に本当に必要なものとは、目立ったランドマークではなく、日常が連綿と続いてくれる安心感なのではないか、ということです。
その安心感が、久米川駅界隈には実は存在していて、これまで誰も言語化してこなかったのかもしれません。
そう考えると、今まで散々「なにもない」などと揶揄されてきた町も、どこか愛嬌があるように見えてくるから不思議です。
思い起こせば、久米川駅界隈の写真を、私はよく撮ってきたような気がします。
なにもないと言っておきながら、実は自分自身がいちばん愛着があったのかもしれません。
これからもよろしく、久米川駅
私が住む久米川駅界隈は、こんな風景が広がっています。
この町に何十年も住んで、その移ろいを眺めてきました。
これからも、私はこの町で、連綿と続く日常を楽しんでいくことになるのでしょう。
無理に好きにならなくてもよくて、わざわざ嫌いにならなくてもいいと思っています。
この町での生活が続いていく、その事実を楽しんでいきたいのです。
久米川という駅や町をはじめて目にする方にも、飽きるほど見てきた方にも、どんな形でも、この記事が届けば嬉しく思います。
この記事は、東村山市の自治体公式である「東村山編集室」の記事として書かれました。
東村山編集室の発足からは、2024年3月で1年強が経過し、第一期のライター21名の任期は目前に迫っています。
※2024年3月末まで
※希望者は一定条件のもと更新可能
東村山編集室での活動は、自分の住む町を、別の角度から見つめなおす良い機会になったと感じます。
そして、これらの記事を書く機会に恵ませてもらったライター仲間の皆さんに感謝して、この記事を終わりたいと思います。
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