ブルーカーボン
最近のネイチャーの論文でブルーカーボン生態系(blue carbon ecosystems: BCEs)について紹介されていましたね.タイトルはBlue Carbon As a Natural Climate Solutionだったと思います.つまりブルーカーボンとやらが気候(ここでは炭素循環)に対しての一つの解決策になりうるのでは?という旨の論文です.
昔?いわゆる陸上植物の保全による気候変動対策、特に二酸化炭素の吸収などの役割を強調する文脈でグリーンカーボンという言葉が生まれました.これに対して、マングローブや海草、干潟の生態系を「海の」という意味合いを込めてブルーカーボンと呼んでいるようです.
(二酸化炭素=温暖化原因論についてはここでは議論しませんが)グリーンカーボンはご存知の通り、CO2ガスをCH2Oとして陸上に固定するため二酸化炭素の削減に寄与します.同様にブルーカーボンも炭素を固定し酸素の少ない水中に埋没させてしまうことから高い炭素固定能力があることがわかっています.
陸上植物と比較してブルーカーボンは衛星から観測しづらいため正確な把握が難しいですが(これが一つの課題)、地球表面積のおよそ0.5%のみを占めていながら、海洋における50%、つまり地球全体の炭素固定量の3%を担っていると推測されているようです.さらにブルーカーボンは漁業強化や沿岸保護、生態系保全といったco-benefitも期待されます.
まだまだ観測技術の不確実性は高いものの、ブルーカーボンは気候変動対策における一つのトレンドになるのではないかと思いました.
カーボンクレジットに関しては結局開発進める国と保全する国で格差を生んで、どうしようもなくなったらまた新しい規制ができるんだろうなとか思うのでイマイチ腑に落ちてないんですがいい仕組みなのでしょうか?詳しい方いたら教えてください.
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