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彦星!天の川を泳いで渡れ!!

多少気が早いのかもしれないが、7月7日は七夕である。

七夕までまだ1週間もあるので、大幅なフライングをしている感は否めないが、まあ七夕の一週間後に「そういえば、この前七夕あったね。」で始まる文章よりは幾分かましである。

七夕と聞いて真っ先に思いつくのは、織姫と彦星の七夕伝説、レジェンド・オブ・タナバータだ。

僕はこの七夕の伝承を聞くたびに思うのだが、
彦星には「七夕を待たずに天の川を渡る」という考えはないのだろうか。

年に一度しか会えないどころか、天候が荒れた日には会えるかどうかも怪しい超絶・遠距離恋愛を強いられた織姫と彦星。まして天の川の両岸にはLINEもtwitterもないし、多分WiFiも飛んでない。

こんな状況が永久に続くなら、彦星は無我夢中で天の川にダイブしたり、そうはいかなくても渡りの船や「天の川大橋」の建設に着工したりしそうなものである。

なぜ彦星は、毎年指をくわえて七夕を待っているのだろうか。


調査班は、二人を分かつ「天の川」なる大河川に、その謎を解くカギがあるのではないかと睨んだ(キッ)。

天の川とは、いかなる河川なのであろうか。天の川を泳いで渡るには、いかなる条件が必要なのだろう?

僕とおなじ疑問をもつキッズ向けに、大変親切な記事がネット上に転がっていた。ありがとう、Honda Kids...


この記事を読むまで、僕は織姫と彦星について「なんか流れで川の流れに引き裂かれてしまったかわいそうな男女」くらいの理解しかなかったのだが、この記事はその辺についてもしっかりと補足してくれた。

七夕伝説は、どうやら中国の神話に端を発しているそうだ。
なんと織姫は、天上界でいちばん偉い天帝のご令嬢でいらっしゃるらしい。

彦星は、そんなお偉いさんの娘を、嫁にもらうことになったのだが、結婚してからの二人は遊び惚けて、碌に仕事をしなかったそうな。その様子にガチギレした天帝は、二人を天の川で隔て、年に一度しか会えないようにしてしまったんだとさ。

ーーー想像以上に壮絶な人間関係だった。つまり天の川を泳いで渡るなどということは、彦星の義父であり、かつこの世を統べる神的存在である天帝への反逆にほかならない。

ごめん、彦星。軽い気持ちで天の川泳げとか言っちゃってごめん・・・。


さて、そんな薄ら暗い大人の事情を垣間見てしまい、今年の七夕の短冊には「彦星がお義父さんから許してもらえますように」と書くことが確定したわけである。

一度も会ったことのない男女の家族関係に想いを馳せながら、続きを読んでいくと、いよいよ「天の川っていったい何なのか?」というお待ちかねの疑問が明らかとなった。

女の子「あれ?そもそも天の川っていったい何?」
おじちゃん「天の川は、僕たちのいる銀河そのものを見た姿なんだよ。」

銀…河…?

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怒涛の展開に僕の意識は遠のくばかりだが、天の川が銀河であるとは、一体どういうことなのだろうか。

地球を含む太陽系の惑星が、銀河系の中にぶち込まれているという話を聞いたことがある。しかしなぜその銀河が、夜空で川のような姿に見えるというのか。

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その秘密は、我々の住む銀河系「天の川銀河」の構造に隠されていた。
銀河系には、星々が円盤状に存在していて、その中に地球がある。だから、地球から銀河を眺めるときには、その円盤を横から眺める形となる。つまり、銀河は一本の川のような細長い形で見える。

すなわち、天の川の川幅というのは、銀河系の円盤の厚さに相当するわけで・・・

その厚さ、なんと一千光年。光の速さで泳いでも、一千年はかかる距離なのである。


ごめん、彦星。軽い気持ちで天の川泳げとか言っちゃってごめん・・・。


むしろ、一千光年も離れてるのに何らかの神秘的な力で年に一度は合わせてくれるんだから、なんだかんだ天帝も、配慮してくれてんだな。


現在、日本人口の70%は、夜の明かりが眩しく天の川を観察することができない地域にいるらしい。

この流行り病で、キャンプや天体観測の実施も危ぶまれる状況ではあるが、もし機会があれば、天の川を眺めながら、こいつをジャバジャバ泳いで渡るわけにもいかない彦星の葛藤を、ぜひとも噛みしめてほしい。

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