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英語のお浸し

最近、英語漬けにされている。

「大学生になったら、英語を使う機会が減って英語力が落ちるよ~」と高校時代はよく脅かされていたものだが、今この状況下で英語力が落ちようものなら僕は英語の海に溺れて死んでしまう。生きるため絶賛バタ足中である。

そもそも、練り物である僕がなぜ英語に漬けられているのかというと、それはうちの学科(生物)の授業のせい・・・おかげである。

2年次に専門英語という必修単位がある。数週間前までは、週に1回配信される簡単な英語の動画と資料を閲覧して、オンライン授業に出てればOKというやさしい科目だったのだ。

しかし先週から、「英語の論文を参考にして、生物系のテーマのプレゼン手テーションを10分英語でやる」という課題が始まってから、事態は急変した。

各生徒が2人1組になって期限までにプレゼン動画を作成、他の生徒はその動画を見て、授業の時間で英語で質疑応答するという内容である。

しかし、全ての動画に登場する意味不明な専門用語、論文から引用したと思われる超複雑な文章をもとにした原稿の高速音読など様々な要因が相まって、「スライドの内容を理解するために自分で論文と和英辞書をググる」という地獄が生まれている(個人の感想です)。

気分的には、ゾンビ映画で主人公の親族がゾンビウイルスに感染して襲い掛かってくるぐらいの絶望感である。


僕は、「言ってることがわからない」には次の3段階があると考えている。

① 使っている言葉の意味や定義がわからない
② 言っている事柄同士のつながり(論理関係)がわからない
例)「風が吹けば桶屋が儲かる」という言い方では、なぜ風が吹くと桶屋が儲かるのかがわからない
③ 話の目的や終着点がわからない

今の英語の授業に関しては、①の時点で大変なことになっている。
というか ⓪ 相手の発音が聞き取れない レベルで怪しいまである。

そういうわけで、今うちの生物学生たちの間では、「自分以外の人の質疑応答、もはや何の話をしてるかわからないよね」という、超絶ニッチなあるあるネタが横行している次第である。


さて、先週までは僕は「質問する側」だったのだが、いよいよ来週には「質問される側」に回らなければいけなくなった。僕は今必死に英語の論文を読んでいる。

論文の内容については、ここではあまり詳しく書かなくてもいいかもしれない。
たぶん一般的なnoteユーザーで、「カリフォルニアヤリイカの白色色素胞に含まれるリフレクチンの透明度に関する性質」という話題について詳しく知りたいと思う人はそんなにいないだろうから。


プレゼン動画の提出締め切りが6月19日なのだが、奇しくもこの日は僕の誕生日である。僕が高校生だったころ、6月19日といえば毎年定期テストのある日付だった。学校はいつも絶妙に微妙な誕生日プレゼントをくれる。

そういえば、7月1日までに別の授業で生物の利他性についての英語の論文を5本くらい読んで分かったことをwordで3ページくらいに英語で要約するっていう課題もあった。お腹が痛くなってきたかもしれない。


しかし、希望はある。
あまりに短時間で大量の英文を読むことを強いられたので、英語での速読の仕方を軽く身に着けつつあるのだ。

最初のうちは、

どこに欲しい情報が書いてあるか分からない
→ とりあえず分からない単語は調べて丁寧に訳そう
→ 1日かけても1ページしか進まないし、ここの情報そんな大事じゃない
→ 発狂

という死の淵に何度も叩きつけられていたのだが、逆に「難しい修飾語はカットして、主語・述語・目的語だけを抜き出して一文の内容をざっくりと把握する」という少しばかり適当な読み方をしたほうが、欲しい情報が書いてある箇所を見つけやすくなった。


明日の朝起きたら、めっちゃ英文が読めて、英語が聞き取れるようになってないだろうかと願うのだが、さすがに一朝一夕で身につくものではないだろう。

今の自分にできることはただ一つ、早く寝て、明日からの課題に取り組む気力と体力をつけることである。

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