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ワンちゃんアラーム

僕は、うちの犬に文字通り「叩き起こされて」いる。

実家では狆とチワワのミックスの小型犬を飼っていて、名をまろという。
小さなころ白と茶色地の顔に、目の上の部分だけ黒い毛が麻呂眉のように生えていたころから、まろと命名された。ちなみに最近は黒い部分の面積が拡大して、麻呂眉どころの騒ぎではなくなっている。

まろの朝は早く、練り物の朝は遅い。
まろは毎朝4時ごろに目を覚まし、マッマや弟の顔面をその小さな前足でゲシゲシと叩いては、「はよお散歩につれてけ」とご所望なさっている。

おかげでうちのマッマと弟は毎日6時前には起床しているという凄まじく健康的な生活を送っている。

そんな彼らを尻目に、僕は普段朝8時くらいまで惰眠を貪っている。春眠暁を覚えずというやつである(もう6月だからダメか)。

僕と弟は畳の部屋に布団を敷いて寝ていて、夜間は廊下に通じる扉は閉めてあるので、夜間まろは侵入できないようになっている。
しかしこともあろうに、練り物の眠りを妨げんとする睡眠テロリスト・マッマは、毎朝7時過ぎになると部屋の扉を解放し、まろを寝ている僕のもとに解き放つのである。

まろの攻撃パターンは基本2種類である。
①顔を舐める
②頭をひっかく

こちらとしては寝ている時間を5分でも10分でも引っ張りたいところなので、僕は「両腕で顔をガードしながら奴のお腹を撫で、腑抜けさせて行動不能にする」という卑劣極まりない一手で急場をしのいでいる。


今朝は、まろが「顔をガードしている腕の手首を狙ってひっかく」という高度な部位破壊攻撃を仕掛けてきたことによって、大変遺憾ながら起床せざるを得なくなってしまった。

まろとの、そしてその背後で暗躍しているマッマとの戦いは続く。
快適な眠りを獲得することは、いつだって命がけなのである。


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