秋は彼女の眠りを醒まして
秋になると思い出すひとがいる。
まだ私が高円寺の住人だったころ、駅の改札を出て南口へ抜けようとした私に声をかけてきたのが彼女だった。
飲みに行きませんかと言う彼女は見知らぬ女性だったが、その日は部屋に帰っても特に予定がなかった私は誘いに乗ることにした。
彼女の名前はアキと言った。
商店街通りから1本奥に入った細道にある酒場で飲みながら、アキの話に耳を傾ける。
地方から昨年上京してきた彼女は、看護師見習いをしながらこの街のピンクサロンで働いているという。
病院でスケベなオ