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理念浸透に重要な「ポジティブな組織成員性」とは?『経営理念の浸透』- ③
理念浸透の3次元モデル
本書第2章では以下3つの次元で理念浸透のプロセスが把握できることを実証しています。
理念への情緒的共感
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理念内容の認知的理解
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理念を反映する行動的関与
まず理念として掲げている事項を「お、いいな」と共感し、より理解を深める、最終的にはそれを行動に反映する、というとてもイメージしやすい整理です。
共感・理解以上に理念浸透に重要な「組織成員性」
組織成員性とは、個人がある組織へ所属していると自身を認知していることを指します。
そして、自身の組織に誇りを持っている状態を「ポジティブな組織成員性」と呼びます。(反対に、汚職が起きるなどして自身の組織にネガティブなイメージを持ってしまう「ネガティブな組織成員性」も発生しえます)
本書での示唆に富む指摘の一つとして、この「ポジティブな組織成員性」には理念への「情緒的共感」と「認知的理解」を「行動的関与」まで高めることを助ける効果があること、があります。
ただ単純に「我が社の理念はこのようなものだ」と理解しているだけの状態よりも、「我が社は社会的にとても評価されている」と感じている方が理念に基づいた行動を起こしてくれる、ということです。
実践への含蓄
理念の行動反映において「ポジティブな組織成員性」が重要な役割を持っているという指摘は、一般的な向けの理念浸透活動と合わせ、企業のポジティブなパブリックイメージの構成が間接的に理念の行動反映にも有効だということを示唆しているのではないでしょうか。
もちろん自社へのポジティブなイメージは日々の1on1や福利厚生の充実など「社内」での様々な活動でも醸成されます。ただ、「自身の組織が社外からどのように見られているか」は自身の組織イメージに直結します。
※これに関して実証している文献も探し中です…!!
いかに自身の所属するベンチャー企業が素晴らしい理念や経営戦略を持っていても、周囲から「あなたの会社大丈夫なの?」と言われる状態ではポジティブな組織イメージの生成は難しいと考えられます。
採用マーケティングやPR・ブランディング活動を理念浸透とセットで実施することでさらにその効果が高まることが期待されます。
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