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情報社会に革命を。夢の無尽蔵ストレージをDNAに見る!

情報を記録するのに、昔は石に刻んだり、壁画にしたりしていました。そのうち紙に記録するようになり、テープやDVD、今ではハードディスク、最近ではクラウドのようなサーバーなどに記録するようになりました。

しかし、情報社会の現在、情報はあふれかえり、全てを記録しようと思うと、サーバーの維持には大量の電力が必要であり、ハードディスクや磁気テープは数十年で寿命がくるため、メンテナンスも必須です。

増え続ける情報に、どうやって対応していくのか、その答えの1つとしてなんとDNAを使うと良いのではないかと言われているのです。

①サーバーやハードディスク、本による記録。維持スペースや維持電力はどのぐらい?

最近ではクラウド上に色々な情報を保存することで、インターネットさえあれば、どこからでも、自分の写真にしろ作成書類にしろ、このブログにしろ、アクセスできるようになりました。とっても便利ですね。

しかし、サーバーの維持管理には大量の電力が必要です。なんと、2011年にgoogleのサーバーを維持するのに使われた電力は、アメリカの家庭の200,000世帯で使用される電力を優に超えていたといいます。

電気を必要としないという意味ではハードディスクや磁気テープがありますが、じつはこれらのストレージは放っておくと寿命が10年程度。時折、移し替えてやらないといけません。

では、書き換えも必要ない、もっと長い時間もつストレージは?というと本があげられます。しかし、最近では1万円ちょっとで買えるような1テラバイトの外付けハードディスクにある情報を本にすると、なんと、本棚を11kmほど並べないと、全部収容できないのだとか。

ヨーロッパにある巨大な研究施設CERNでは1年間でやく1500万ギガバイトものデータが溜まる、今の時代、電力を使わず、長持ちし、コンパクトなデータストレージがあると最高ですよね。

②スペースいらず、電力いらず。加えて長持ち。DNAストレージの潜在能力がすごい!

一部の研究者たちは、その答えをなんとDNAに求めました。
DNAは螺旋の直径2ナノメートルの細長いこより状のもの。人間のDNAも全身の細胞1つ1つに入っているというのに、全部のばすと2mにもなるんだとか。非常に細いので、折り畳むととてもコンパクトなんです。

また、DNAは4つの文字から情報を記録するため、0と1だけで使っていたこれまでのストレージよりも15〜20%程度使用する文字数が少なくなると言います。

大腸菌一匹のDNAをとっても、記録できる文字数は250万文字!なんと、シェイクスピア全集(ただし、DNAの4つの文字に書き換えた場合。)に相当します。「ハムレット」も「リア王」も「真夏の夜の夢」も全部、大腸菌のDNAの中に記録できるというのです。

しかも、DNAは長持ち。なぜなら、60万年前の馬の化石から採取したDNAから、情報を読み取れた例も存在するのですから。

③DNA合成と読み取りの問題

節スペース、節電、長寿命!と三拍子そろったDNAストレージですが、これまでの問題はその合成の難しさにありました。

実用化を進める研究グループによると、一番最初に挑戦したときには、ツイッターにつぶやく程度の文字をDNAに書き込むために、膨大なお金を時間をつかったのに、失敗した、と言います。

しかし、最近になって、gBlockと呼ばれる技術が開発されました。これは、4つの文字を自在に並べた比較的短いDNAを作る技術です。この技術の応用により、DNAストレージは可能になるのではないかと研究グループは見ています。

私たちの体の1つ1つにも入っているコンパクトなDNA。ここにそれだけの情報が詰められるようになったら、そこには革新的な変化が待ち受けていそうです。

[reference] :http://m.phys.org/news/2016-07-dna.html

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