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2020.08.15 晴 27°/34° 夏の香りと祖母の記憶

赤しそ。みているだけで吸い込まれそうな赤紫色。その色の奥に濃ゆい緑色を抱えている。光の当たり具合によっても見え方が違う。なんとも美しい。紫ってなんだか私からすると妖艶なイメージであったりするけれど、昔の日本では一番高貴な色だったりする。多分それは聖徳太子様の時代のお話だったような・・・。

実はですね、昨年畑を借りた時から、至る所にニョキニョキっと赤しそは自生してですね、おお。こぼれタネからここまでしっかり育つんだなぁって、赤紫蘇の生命力の強さにひとり感心していたのです。これはラッキー!なんて思っていたのだけれど、いつの間にか意識から消えていって、有効活用しないままに、あっという間に穂が出て、花が咲いて、タネが弾け、そのまま畑へとお還りになりました。

今日のカバーは 袋いっぱい「273g」の赤紫蘇 です。

今年も赤しそはこぼれ種から見事に出てきています。今年はなんとしても食べてもらいたい!って思っているのか、出てくる場所が全て私が他の野菜のタネを播いたり、苗を植えたりした場所にわざわざ生えてくるのです。アピールがすごい。まあそう受け取っているのは私だけで、当たり前の光景なのかもしれません。きっと私が考え過ぎているだけ。

しかしそのアピールが功を奏したのか、見事に私に葉を摘まれて行きました。ビニール袋いっぱい。

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さあこの赤しそをどうしようか

収穫した赤しその葉っぱを車に積みこんで、朝早くからやっているドラッグストアに駆け込みます。ここまでたくさん収穫したということと、ドラッグストアに行くって流れから、もうもう何をするかお気づきになる方がいらっしゃるのかもしれません。

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目的はクエン酸でした

もう私はクエン酸って聞いただけで、口の中が唾液でいっぱいになる。これはレモンって想像しないでくださいって言われても、同じ現象が起こってしまうやつ。年を重ねるごとにレモンって聞いただけで反射的に反応が怒るから不思議です。これはきっと経験からきていると思うので、レモンを知らない人には起こらないだろうし、さらにクエン酸の存在のほうが認知度が低いだろうから、同じ反応が起きないのでしょうか。ほどほどに気になります。

大量の赤紫蘇 + クエン酸 = 夏の味

やたらと匂わせながらここまで後に引っ張ってしまいました。ごめんなさい。きっと多くの人がわかったかもしれませんね。答えは赤紫蘇ジュースでした。もうクエン酸のパッケージの裏に「シソジュースの作り方」って書いてありますから、きっとメジャーなんでしょう。口いっぱいに広がる爽やかな香りと、甘酸っぱさが後を引く夏の風物詩ですね。ちなみにりんご酢入。

私が小さい頃には、夏になるといつの間にか赤シソジュースが冷蔵庫にあったんですよ。正式には薄めて飲んでいたので、シロップなんだと思うけれど。おばばちゃんが、知らぬ間に赤しそを何処かから調達してきて、いつの間にか煮出して冷蔵庫で冷やされている。

暑い日に学校から還ってくると

「ちょっとまってな」って

テーブルに座って待っていると、それは静かな動きで、小気味よくシロップをグラスへ移し、目分量の水で薄めてくれた物をさっと出してくれる。いつもグラスには大きな氷が一つ浮かんでいたのを思い出します。出てきたジュースを一口二口。そのあとには決まって、

「うわっ!ちょっと酸っぱいよ」

って、その後に続くお決まりのパターン。いつもちょっぴり濃い味だった気がするけれど、時間が経つといつの間にかちょうどよくなっていた気がする。氷が入ってちょうどよくなるようにしてくれていたのでしょうか。よくよく想い出してみると、それでも酸っぱいなぁって思ったら、すかさず氷をもう1、2個追加してた気もするから、特に考えてくれてなかったのかもw

赤しその香りは子供の頃に感じた夏の香りがする。ジュースの味わいも、香りから始まったやりとりも、とてもいい思い出。ドラッグストアにいったその足でおばばちゃんのお墓参りにいって手を合わせてきたことも、影響しているのかもしれません。

急に赤しそを収穫して、ジュースを作ろうと思ったのはもしかしたら、おばばちゃんの差金かもしれません。赤しその葉を収穫している時にもなんだかおばばちゃんが浮かんできて、もう私の心と意識、そして足までもお墓のほうにむいていた気がする。

赤しその香りがそうさせたのか、おばばちゃんがそうさせたのか。

なんだかいろいろな思いが巡った不思議で穏やかな一日でした。

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