見出し画像

「感じる数学」展に行ってきました

先日、北海道大学の夏季企画展「感じる数学」展に足を運びました。

ガリレイさんの振り子の周期で時間を計る発想から、最速落下曲線の問題や微分幾何、最適化、位相幾何をたどり、ポアンカレさんが研究した予測不能な動きである「カオス」まで、数学者たちのひらめきや長い年月を超えた努力が伝わる展示でした。


今回は、この展示をもって気づいたことについてお話します。


「わかっている人」だけがよさを伝えられる

この展示では、学生さんがスタッフとして来場者の質問に答えたり、説明をしていました。

私もどうしても分からなくていくつか質問してしまったのですが、私に理解できるよう明快に答えてくださりました。

あの時は本当にありがとうございました。


さて、「わかっている人だけがよさを伝えられる」とは、言葉通り、数学をきちんと「わかっている人」だけが、数学にふれてこなかった方々に対しても数学のよさを伝えたり、納得してもらえる説明をすることができるという意味です。


当たり前のことかもしれませんが、これは決して簡単ではないように思います。


なぜなら、「わかっているつもり」になることは誰でもできますが、「きちんとわかる」ことは難しいからです。


私も少し数学を学んでいますが、他者に数学のよさを伝えたり、大学数学の内容を納得してもらえる説明ができるという自信は、正直ありません。

きっとどこかでつまったり、戸惑ってしまうでしょう。


それは、きちんとわかっていないからだと思います。


ですが、教員になろうとしている人間がこんな調子でよいはずがありません。

実際に算数・数学が好きではない子どもにもよさを伝える立場ですから、まずは自分がよさや数学の事実を1つずつ噛みしめ、自分のものにしなければなりません。

残り半年で、きちんとわかるまで追究する姿勢をつくりたいです。


ここまで読んでくださった方は察しがついていると思いますが、私は、人の影響を受けやすい人間です。特に、よい影響を受けて成長しようとする傾向があります。

それが自分のレベルより遥か上で、苦しむことが多いですが。

それでも、いいんです。

自分が「今のままではよくない」「どうしたら成長できるか」と考えられるきっかけになる人がいて、そのような場所がある。

これは、すごくハッピーなことです。


今度は自分が、誰かを成長させられるきっかけになれたらと思います。



数学史って、すごい

今回の展示は、数学の事実のみをつらつらと並べられたものではありませんでした。

ガリレイさん、ニュートンさん、オイラーさん、ポアンカレさん等の数学者の苦悩や発想、成果などがわかりやすい、「数学者という人間に寄り添った展示」というイメージです。そのため、数学という学問がいかにして発展してきたかわかりやすい展示でした。


誰かが頑張ったエピソードを聞くと、「自分も頑張ろう」と思えますよね。

展示の中には、感想を付箋に書いて貼ることのできる場がありました。そこには、

「数学が苦手だけど、頑張ろうと思いました」
「数学者ってやっぱりすごいですね」
「数学を避けてきましたが、これから勉強しようと思います」

など、数学や数学者によい影響を受けている感想が数多くありました。

私は、この感想を見て、「学者が頑張ったエピソードを聞くと、学習意欲が高まる人が多いこと」「歴史の流れを追うことで発想を捉えやすくなること」に気がつきました。


いま、数学史は、学校の数学の授業でも取り入れられています(たとえば、エラトステネスのふるいやダランベール×確率、三平方の定理×ピラミッドなどです)。

子どもの関心・意欲の向上を目指すために、また、数学者の発想が子どもたちに伝わるように、数学史という学問をもう少し勉強したいと思いました。


以上が、私の「感じる数学」展を見た感想です。

おわりに

今回は、「感じる数学」展をきっかけに思ったことを長々とお話し、「感じる数学」展そのものの内容について深掘りしませんでした。実際の展示を見てほしいと思ったためです。今月の25日までですので、ぜひ足を運んでくださればと思います。

また、書籍も販売されています。ぜひ読んでくださればと思います(私は、鉛筆で線を引いたり、わからないところには付箋を貼りながら読んでいます)。


今度、大学の先生と「感じる数学」展について語る予定です(先生に時間をつくってもらいました。ありがとうございます。)。そこで更なる理解を深め、得られたことをここに綴りたいと思います。


ここまで読んでくださり、ありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?