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感想文:映画『落下の解剖学』

予告で知ってから気になっていた映画。
終わってしまう前になんとか観に行けました。

公開が2月なので、今まで重大なネタバレを踏まなかったのはラッキーだったかも。
内容について知っていたのは、「夫殺しを疑われた妻が裁判にかけられるが、証人は視覚障害を持つ息子のみ」という設定と、犬が活躍するらしいという点だけだったので、新鮮に楽しめました。

犯人は誰なのか!? 夫の死の真相は!?
という、法廷ミステリーど真ん中な作品を予想していましたが、メインはそこではなく「事実は真実の一面に過ぎない」という部分にあるのかなと。

上述の通り、夫殺しを疑われた妻が被告人ですが、検察側から提出される証拠や証言だけを繋ぎ合わせていくと、精神に不安を抱えている夫&それに嫌気が差しているモラハラ気味の妻という関係性が浮かび上がるんですよね。
それは決して間違いではないけれど、その事実と事実の間には暖かな絆も確かに存在していて……

ひとりの人間も、人間同士の関係性も、様々な面を持っているものです。複雑な形のどこに光を当てるかによって見え方が全く変わってしまう。
そうして複数の事実が浮かび上がるとき、人々は選びたい方を真実として選択する。
そういったことを、事件発生から裁判終了までの過程を通して緻密に積み重ねた作品だと感じました。

また、実際にフランスの法廷がああなのかは分かりませんが、検察側と弁護側が感情的に煽り合ってるのがコミカルで面白かったですね。
特にスキンヘッドの検察官の憎たらしさよ。
法廷のシーンが多い作品ですが、堅苦しさは全くないので見やすかったです。

噂通り、犬も大活躍というか大健闘というか。
犬が薬物で昏睡するシーンがあるのですが、CGでも人形でもなく実際に演技をしているのだとか。
↓の記事の中にトレーニング中の動画が出てきました。
https://hollywoodreporter.jp/awards/34832/
こんなの一体どうやって訓練するんですかね……?
そりゃパルム・ドッグ賞も獲りますわ。
詳細は分かりませんが、調べてみると動物愛護の観点でも問題がない撮影方法だったようで安心しました。

総評として、かなり面白かったです!
ラストの白黒ハッキリさせない感じは評価が分かれそうですが、個人的には好きな終わり方でした。


初めての感想文です。
観たい映画も積ん読もその他も沢山あるので、noteを口実に消化していきたいと思います。

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