プラネタリウム

重々しいドアを開けると、少しむっとした空気と静寂の空間が私を待っている。

星空を眺めるみたいに清々しいものではなくて、きっと空気がよどんでいるせいもあると思うけれど、大きな圧倒的ものが私たちを今か今かと待ち構えている。

待ち時間は意外と長いのだけれど、そう感じたことを忘れさせてしまう何かがあるんだ

気付かないうちに星が映し出されていて、目を奪われている。
天井と音声に圧倒されながらも、星空が視線を離してはくれない。

途中途中、眠りへといざなわれてしまう
それすらも肯定してくれる聖母のような存在があの空間の背後にでも居座っているのだろう

再び、熱中しようと目を凝らすと、終わりのアナウンスが流れる
何とも言えない充実感と名残惜しさ、少しばかりの敗北感とともに、席を立てないでいる私。

やっとの思いで腰を浮かすと脳がまだ離れないでと訴えているかのようにめまいと再びの充実感が襲ってくる

これだから、一年に一回でいいんだ、プラネタリウム

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