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[日記]炭鉱に関する論文についてゼミで発表してみた。

先日、ゼミで自分の卒業論文に関連する論文の発表を行いました。

私が所属するゼミでは、主に道路や農業基盤を扱っているため、「炭鉱」はかなりイレギュラーな内容です。


私は今回の発表で、『炭鉱における坑内水の揚排水量の変化に関する研究』という論文の説明をしました。

パワーポイントを作る段階で、20代前半の人に炭鉱地や鉱山、さらに坑内水のことが伝わるのかとても不安でした。当たり前にこれらの言葉を出していいのか、それとも言葉の意味を説明してからの方がいいのか迷いましたが、素直に論文の内容を述べていくことにしました。

この論文では、坑内湧水の特徴として断層の有無や周囲との地下水位差が、排水量に関係していることが示されていました。

Zoomでの発表だったので、どこまでゼミの仲間に伝わったのかよくわかりませんでした。


その後の半強制的な仲間からの質問では、論文の中身にではなく、炭鉱そのものについての質問が多くありました。

①現在の旧炭鉱地の使われ方は

→論文での研究対象地は旧三池炭鉱だったので、1997年に閉山し、明治日本の産業として、軍艦島などと一緒に世界遺産登録された

②過去、現在で坑内湧水は最終的にどこに排水されているのか

→論文内には記載がなかったので、三池炭鉱でどのようにしていたのかはわからないが、自分の地元では、大きな川にそのまま垂れ流して希釈させている

③なぜあなたは炭鉱に関する研究をしようと思ったのか

→地元で1970年まで炭鉱が行われていたと大学生になってから知り、その地域の歴史を、市政の思うままになかったものにしたくないと思ったため

④坑内水の状況を知ることが重要な理由は

→当時は、坑内水を出すためのポンプに費用がかかっていたり、人がなくなる事故につながる要因にもなっていたため

⑤排水を利用していた例はあるのか

→炭鉱が盛んな時期は、バックというレンガ造りの大きなプールの様なものに水を溜め、それを選炭の作業に使っていたという証言がある。また、閉山後は、金属イオンや硫酸イオンが多く含まれる坑内水を農業・生活用水として使えるように研究が行われていたが、金銭的に釣り合わず、利用できなかったと他論文にあった。


この最後の排水利用についての質問は、自分の卒論のテーマと類似していたので、とてもうれしく思いました。また、発表を通して、炭鉱について知ってもらえだけでも、本当にうれしかったです。


炭鉱について卒論を書くと決めて、動き始めて半年。あまりプラスの印象がなかった「炭鉱」ですが、すでに愛着がわき始めているのを、今回の発表で自覚しました。

また最近、「排水利用を考えなければ!!」と少し追い込まれていて、炭鉱そのものを調べることや知ろうとすることをやめていたので、発表によって、「炭鉱の知識を深めたい期」が再来した気もします。


生まれたときから石油で多くのものが動いており、炭鉱地出身の自分ですら、20歳になるまで、地元が以前炭鉱地だったと気づかないような景観が広がっている時代。


新しいコトやモノを進めていき、過去のものは捨てる・変えていく地元行政の方針。私は、それとは真反対に進んでいるため、残っている資料も少なく卒論を完成させられるか不安ですが、この[日記]のように、自分にしか書けないものを残したいと思います。

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