夕焼けも、朝焼けも。
「いってらっしゃい」
ドアを開けて、夫を送り出す。
我が家の玄関は東向き。
たまに、ドアの向こう側から、近所のマンションの隙間をぬって、朝焼けが顔を出す。
朝焼けが見れた日は、すごく気持ちがいい。
得をした気分になる。
朝焼けは雨、なんて言うけど、気にしない。
雨は降る時は降るし。
雨が降らないと困るし。
雨が降ったら、傘をさすか、レインコートを着ればいいだけのこと。
そんなことより、朝焼けが綺麗な方が幸せだ。
「おつかれさま」
息子を習い事へ迎えに行く。
西の空に、紺色と橙のグラーデションが広がっていく。
ふわふわと浮いている雲が、赤とも白とも、橙とも言えない色に染まる。
息子と一緒に、夕焼けを見ながら帰る。
「学校では何したの?」
「理科の実験がね!!」
「宿題はやった?」
「今、その話せんで!!」
そんなたわいない話が空に溶けていき、夜が訪れる。
夕焼けも、朝焼けも、どちらの色も綺麗だけど、
私はそれを表現するだけの、言葉を持ち合わせていない。
言葉なんて無力だ。
目に焼き付けた美しさを伝える術は私にはなくて。
ただ、それを一緒に見た人と共有するしかなくて。
一人で見た日には、どこかで同じ空を見ている人に想いを寄せて。
前回は「ゆ」で終わる記事でした。
次回は、「も」から始まる自己紹介。
次で7DAYSしりとり、最終回。
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