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「アップデーター女」日記|小野寺
「取材で自分と違うタイプの方と話す時、その方がどんなことで喜ぶのか、ポジティブなマインドになるのか、分からない時があるんです。何となく『こうかな?』と思うことを手探りで話して、それが当たっているだけで、心の底から喜びに共感しているわけではないから、分からないんです」
と、話の流れでぽろっと、一緒に食事をしていた取引先の方に言ったことがある。
「あ〜確かに。小野寺さんって、ネガティブなことへの共感はしてますけどね」
そうそうそうそう、そうなのだ。ネガティブなこと、「人が嫌だと思う気持ち」にはとことん寄り添える。だって私もされたら嫌だもん。分かーる、分かるよ君の気持ち。思春期の肌に寄り添う小池徹平氏ばりに、分かる。
でもこう「感謝されてモチベ上がった」「仲間のために頑張ろうと思えた」的な話を聞くと、自分の中にはほとんど発生しない、一瞬発生したとしても長続きしなかった気持ちなので、心から共感はできない。いつも私の行動は私がやりたくてやっているので、ありがたくもそうさせていただいているので。だから、基本的には人のせいにもしません。みたいな、おそらく不要な頑なさがあって、これが人のペースを乱したり不用意に傷つけそうで、チームにジョインすることを避けている。こうして人と同じ喜びを理解する機会を、失い続けている……。
私が危機感を持っているのは、共感できないことではない。共感はもうしょうがないです、できないのだけど、理解できないことがまずい。そもそも知り得ないのがやばい。せめて察する、とかでもいいから、自分にない心の動きを受け入れる人間でありたい。
取引先の方に「こういう『共感力』というか、人を理解する気持ちって、どう養ってますか?」と伺ったところ、漫画家のYouTubeをとにかく観ていた時期があった、と。
「漫画家は人間がどの場所で興奮し、喜び、泣き、悔しがるか熟知していて、それに沿ってキャラを作ったり展開を考えるので、漫画家が作品解説している動画なんかが本当に参考になりますよ」
それだそれだそれだ〜〜〜!!!!漫画好きとして、これ以上の方法はないかもしれない。他者の喜びを理解できる人間になりたい。切実に、アップデートしたい。
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