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まえがき(23)

 私は病棟での介護の仕事が大好きだった。しかし人間関係には悩んでいた。

 入職して4ヶ月たった頃から夜勤が始まった。夜勤は好きだったがその頃から薬の量が増えていった。体内時計の乱れから心身に不調をきたしたのかもしれない。胃腸の具合も悪くなっていた。

 先輩からの理不尽な叱責は依然として続いていた。私はボイスレコーダーを購入し、録音しようと試みたこともあった。上司に何度も相談し、辞めたいと考えることもあった。しかし、先輩も徐々に柔らかくなっていき、新しい仲間たちが入職した頃から私の精神状態は安定していった。

 入職してから二年が経ち、私も自分の技術にある程度の自信を持ち、人間関係も問題なく、これからも成長したいとやる気になっていた。ストレスを感じている感覚はあまりなかった。しかし夜勤の回数が増え始めた頃から体調のコントロールが難しくなってきた。

 ある日の外出時、私は聴覚過敏からパニックを起こした。以前から体調不良時に大きな音に恐怖を感じることはあったが、この日はただの街の喧騒や交通の音が耐えがたいほど恐ろしく、私は頓服を服用して静かな場所へ移動して気持ちが落ち着くのを待った。

 この日から心身の状態が悪くなり、主治医に相談し、上司に相談し、まずは投薬調整のため10日程度の休職となり、それでも状態が良くならないので2ヶ月の休職となった。
 上司は医療職と言うこともあり私の病気に対する知識と理解があり助かった。

以上が休職までの道のりです。
長いまえがきを終わります。

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