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小学生の保護者の教科書〜小学生の子どもを持つ親が知っておきたい77のこと【算数編】

2023年2月にKADOKAWAから「(仮)小学生の保護者の教科書〜小学生の子どもを持つ親が知っておきたい77のこと」という本を出します。これは小学生の子ども持つ親が知っておきたい、さまざまな情報を現役の小学校教員目線で面白おかしく書いた一冊です。試験的に本編からいくつかのチャプターをnoteで公開します。

算数のできる子になるために〜生活の中で量感を養う〜


 小学校の教員として保護者の方にお願いしたいことの一つは、『日常生活の中で量感を養っておく』と言うものです。

量感とは、2kmとはこれぐらいの距離だとか、500m Lとはこんなもんだとか、500円で買えるのはこれぐらいのものだとか、生活経験に基づき、その量をイメージする感覚です。



量感がある程度育っていないと、子どもたちはとんでもない答えを平気で書いてきます。学校から家までの距離を4000kmと答えたり(どっから来てるん!?)、水筒の容量が3mL(少なっ!)だったり、消しゴムが5800円(シャネル!?)だったり。

この答えを見てクスッとなるのは、量感がついているからであり、それがない子どもからすれば何がおかしいのかわからないのです。

量感を付けるために大切なことは、家庭での日常生活において数字にまつわる体験を積み、数字の物差しを子どもに持たせることです。

料理でかさや分数に慣れる


特におすすめの生活体験の一つが料理です。本格的な料理でなくとも、ホットケーキ作りなんかで十分です。

箱に書かれたレシピを見ながら、1/2カップ、500mL、3分など、かさや時間の感覚、そして分数や小数などの数の仕組みに慣れ親しむことができます。

小三の娘はホットケーキ作りなどをする中で、知らず知らずのうちにこういった数的な感覚を掴んでいったように感じます。

買い物でお金や数字の感覚を養う


一緒に買い物をすることもおすすめです。

来年小一になる我が子としていることは、コンビニのお菓子コーナーで、子どもに欲しいお菓子を選ばせ、値札を見てそれがいくらかを読ませ、財布から必要な金額の小銭を自分で選び取り、実際にレジで買わせることです。

はじめは二桁までしか読めませんでしたが、今では132円を見て「ひゃくさんじゅうにえん」と読み、小銭入れから100円玉、10円玉3枚、1円玉2円を手のひらに乗せて買い物ができるようになってきました。まあまだ怪しいですが・・・

ここで大切なことはキャッシュレスでの支払いをしないことです。私が子どもの頃には駄菓子屋で100円を持って、その中で買えるお菓子を計算しながら選ぶといったことをよくしていましたが、駄菓子屋の消滅とキャッシュレス払いの普及により、買い物で計算する生活体験が激減しています。ぜひ現金でのお買い物をしてあげてください。


量感の貯金


料理や買い物を通じてお子様の量感をつけてあげてください。いきなり教科書で学ぶ場合と、前もって量感がある場合とでは学習の難易度は天と地ほどの差が生まれます。

日々の生活や会話での量感の貯金は子どもが算数を学ぶにあたっての、大切な土台となります。