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香港のバス事情:イギリス譲りのダブルデッカー編

こんにちは!サルタックの真衣です。サルタック理事のゆるふわ日記、衆議院選挙が終わった今週は、ゆるっと香港からお届けします。

香港でも、気温が30℃に達しない日々も増え、秋を感じるようになってきました。以前紹介したサイクリングロードも、夏には交通量が減っていたようですが、また賑わいが増してきました。香港の交通手段というと、観光スポットとして有名なトラムやフェリー、便利で使いやすい地下鉄などを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、今回は、生活の移動手段として欠かせないバスについて、取り上げたいと思います。
香港でバスというと、まず目につくのは、ダブルデッカー/二階建てバスで、イギリス統治の歴史を感じます。では実際のところ、イギリスの二階建てバスと同じ雰囲気なのでしょうか。どういうところが違うのでしょうか。と、もしかすると気になる人がいるかもしれませんので、実際に使ってみて感じた、イギリスと香港の二階建てバスの共通点・相違点についてまとめてみたいと思います。

共通点①木の枝にぶつかる

二階建てバスの2階に座ると、かなり視点が高くなって見晴らしが良く、特に、道沿いの建物の、普段は見えない2階部分がよく見えて楽しいところは、まさにイギリスも香港も同じです。
加えて、街路樹にガツン!バキ!と容赦なくバスがぶつかる音を聞くと、イギリスと香港とで似ているなぁと感じます。日本だったら、街路樹がぶつからないようにと枝を短く刈り取られるのではないかと思いますが、イギリスでも香港でも、二階建てバスに乗っていると、かなりの頻度で、街路樹に、威勢良くぶつかります。
初めてイギリスで経験した時には、何事かと、子どもと一緒にきょろきょろしましたが、香港でこの音を聞いたときは、ここでもやっぱりぶつかるんだなぁと落ち着いて受け止め、懐かしくさえ感じました。

共通点②乗れない時はsorry

イギリスでなるほど、と思ったのは、「Sorry, Not in service」というバスの表示を見かけた時です。「回送中」等と書く代わりに、「Sorry」とまず謝るのはイギリスっぽいなと思いました。
すると香港でも、「Sorry」を発見しました。行き先や路線番号の代わりに、「Sorry, we’re full」 と表示されていたのです。このバスのように、満席の場合は、バス停に人がいて手を挙げていても止まらず通り過ぎます。(バス停に人がいても、手を挙げるなど、乗りたい旨をアピールしていないと止まりません。)バスが止まらないことを示す満席表示に「Sorry」とまず書いてあるところに、イギリス文化を感じました。

以上が、同じだ!と特に思ったところです。次に、香港はイギリスとは違うなと感じるのはどんなところか、2点挙げてみたいと思います。

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相違点①発車タイミング

二階建てバスの場合、2階に座ると、乗り降りに時間がかかります。階段の上り下りもありますし、安全のために、乗客が座るまでは発車しない、というのがイギリスでの経験です。
香港に来てみると、同じ二階建てバスでも、そうとは限らないことが分かりました。2階に上ってっている最中に発車するとかなり揺れるので、初めは慌てましたが、階段を上るときも気を抜かないことを学びました。さらに降車時も、バスが止まってから2階席から降りていると、ドアが閉まって発車してしまいそうになったので、慌てて運転手さんに降りたいと大きな声でアピールしたことがあります。早め早めの行動を心掛けることは大事だと、学ぶことができました。バスが止まる前に動き出すのはやや危ない気もしますが…

(もちろん、1階部分に乗れば、よりスムーズではあるのですが、1階部分は席が少なく混みがちであること、子どもたちはフロントガラス越しに見渡せる2階の一番前の席を気に入っていることから、二階建てバスに乗る度に、2階部分への上り下りを通してバランス感覚を鍛えられています。)

相違点②冷房が効いているか

冷房が効いているかどうかは、香港では重要です。暑い季節が長いため、冷房は不可欠です。二階建てバスでは冷房が完備されています。
一方、イギリスでは、路線バスでは冷房が効いていないことは珍しくありませんでした。そもそも、家にもエアコンがないことが一般的で(ヒーターのみ)、それ自体は違和感があることではなかったのですが、温暖化の影響か、たまに暑い日に遭遇すると、二階建てバスの2階部分は本当に暑かったです。。。窓は小さく開けられるものの、一番前の席は温室効果抜群でした。

なお、イギリスのバスは暑さに慣れていない、と痛感したのは、小学校の校外学習でロンドンの科学博物館に同行した時でした。その日は6月のよく晴れた日で、午後には暑いくらいの気候でした。二階建ての長距離バスを使ったのですが、クーラーが効かず、午後に学校に戻る1時間半余りの道中は、厳しいものでした。ロンドン近辺では渋滞で動きが緩慢だったこともあり、窓から入ってくる風も期待できず、気分が悪くなる子どもも出るほど。そこで、先生が、特に気分の悪い子どもには暑さのこもった2階部分から1階へ降りるように誘導したり、長い髪の子どもには髪を結ぶように指導したり、あおぐ道具になるような紙や本を持っている人はシェアするように呼び掛けたり・・・なかなかに原始的な対応でしたが、こういう教育も生きていく上では大切なのかなと思いました。

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以上、二階建てバスをめぐるイギリスと香港での思い出でした。特徴的な乗り物としてイメージされる二階建てバスですが、そのそれぞれの実態を少し感じていただけたでしょうか。ここまで読んでいただきありがとうございます。

ちなみに、香港のバスといえば、二階建てバス以外にも、ミニバスがあります。郊外にも路線をめぐらす便利なバスですが、二階建てバスとはまた違う世界で、一見不可解ながらよく見ると、独自のルール・法則にのっとっているようです。次回は、ミニバス事情についても、ご紹介したいと思います。

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