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意外と豊かな、香港の自然

こんにちは!サルタックの真衣です。4月になり、若葉の季節、アウトドアでのレジャーも気持ちいいですよね。香港でも、ハイキングなどは、コロナ禍では数少ないレジャーの選択肢です。そこで今回は、自然環境に注目して、香港の様子を紹介してみたいと思います。

人口過密な香港で、多様な生態系を守るために

このブログでも紹介した通り、香港といえばやっぱり、立ち並ぶ(時に穴の開いた)高層ビル群がイメージされるかと思いますが、実は都市部は香港の面積の1/4に過ぎません。そもそも香港の面積は1,108㎢、東京23区の1.8倍程度という広さを考えると、人口748万人以上が密集して暮らしている様子が想像できるかと思います。

そのビルが密集したエリアの外に、24の自然公園と22の自然保護区域が設定されています。これにより、面積の40%が自然公園条例で保護されていることになります。さらに、重要な生態系を保護するための立入禁止区域も設定されています。

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(香港の保護区域。香港農業水産管理局 『Hong Kong Biodiversity Strategy and Action Plan 2016-2021』より抜粋)

上記レポートによると、この結果、多様な生態系が維持されていて、蝶だけでも236種類に上るようです。さらに、シダなどの維管束植物に至っては、3,300種以上が生息しているとか。鳥類は540種以上、これは中国全土で確認されている種類の1/3を占めるそうです。

ハイキングに行ってみたら

このような政策の結果、香港では、山々が比較的身近に迫っていて、特にコロナ禍でレジャー施設が閉まっている状況では、ハイキングが手軽な休日の選択肢となっています。

我が家でも、いくつかの自然公園にハイキングに出かけてみました。木々が鬱蒼と茂る中を行く山道や、渓流に沿って歩くと滝がある場所など、豊かな自然を身近に感じることができました。

ただ、動植物に詳しくない筆者は、日本では見ない植生だな~とは思うものの、生態系の多様さを感じるよりも、眼下に広がるビル群の光景に気を取られがちでした。かつ、コロナ禍で皆考えることは同じようで、ハイキングもかなりの人出。ゆったりと自然を感じる…というよりは、思ってたよりも人が多いな、というのが正直な感想でした。香港ってどこに行っても、こんな山の上でも人が多いとは、公園にして保護しないと大変なことになるんだろうな、と改めて感じました。

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もっとも、大自然の大きさに直面した時には、人がいることの心強さを痛感しました。Google Mapsを頼りに進んだ山道では、随分登ったと思っても振り返れば同じビル群が見える…と思っていたら、進むべき山道がはっきりしなくなり、人も見当たらず、日も傾いてきた…この時ばかりは、人を発見して嬉しくなりました。また、日が暮れて真っ暗になってしまった時には、前後を歩く人たちのライトに助けられたことも。

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(この後、山を降りる頃には真っ暗に。。)

そんな中、生態系の健在っぷりを感じたのが、通称「Monkey Hill(サル山)」です。その名の通り、サルがあちこちに。香港農業水産管理局によれば、野生のサルは約1800頭生息しているそうですが、この日2時間弱の内に100頭以上は目撃しました。うわさに聞くよりも攻撃的ではなく、群れて暮らしている様子も垣間見ることができました。

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ハイキングに行かなくても

実は、サルを見かけたのは、このハイキングの時だけではありません。子どもたちの学校は自然公園のすぐそばにあるので、しばしば校庭に遊びに来るそうです。このため、特にコロナ規制により学校で授業ができなかった時期の学校からのニュースレターには、代わりにサルが来ているよ、と写真付きで載っていました。子どもたちも、体育の時間、フェンスの上からサルが見てたよ、と慣れたものですが、そこはサルも慣れているようで、実りの少なそうな小学生の体育の授業には入っては来なかったようです。

このような自然に囲まれた有難い環境なので、通学路でもサルが木の上にいたりするのを見かけます。さらには、サルだけでなく、ウシが道端の草を食んでいるのを見かけたことも一度や二度ならず。あまりに自然で、感心してしまいました。

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以上、自然環境・生態系の保護に力を入れている香港の様子と、その成果の一端をご紹介しました。高層ビルのイメージとは異なる香港の一面が伝わったなら幸いです。

住環境としては狭く密集しているからこそ、身近に見える山並みや動植物の存在が大切なのかなと思います。東京やニューヨーク、ロンドンなど世界の大都市には中心部に公園がありますが、香港では、山をそのまま公園にしたといえるかもしれません。人口のプレッシャーが大きいこの限られた空間ながらも、自然保護政策の成果は保護区域外にも滲み出ているようです。サルタックの目指す教育の質向上も、直接の活動拠点以外でも波及していくと良いなと思います。

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