米シンクタンクインターン体験記

博士課程も4年目が終了。
フルマラソンで4時間切りを達成できたため、この夏もがっつり走ろうと思っていたのですが、5キロマラソンで無理をしてしまい、ふくらはぎを痛めてしまいました。怪我をしながらでも大谷翔平選手の追っかけならできるだろうと思っていたところ、幸運にもシンクタンクでリサーチインターンの機会を得ることができたので、大谷さんの追っかけはピッツバーグでの三連戦にとどめておきました。僕は博士課程進学前は日系NGOでのキャリアを歩んできましたが、エントリーはインターンからでした。今回はアメリカのシンクタンクでの教育研究インターン。今後どなたかの参考になるかもしれないので、書ける範囲でアメリカシンクタンクのインターンの実態をお伝えしておこうと思います。

  1. インターンゲットまで

今インターンをしているシンクタンクは、教育や保健など社会科学系の研究機関としては米国内最大手で、教育分野では多くの教育政策介入の分析や評価を行っています。国際開発分野でもインパクト評価プロジェクトを持っているし、米国内の学会でもプレゼンスが高く、実践、研究のバランスが取れているなという印象を持っていて、ずっと興味を持っていた組織でした。
実は昨年も博士課程向けのインターンに応募しましたが、面接にも呼ばれず、なかなか敷居が高いなと思っていました。
近年僕は、因果媒介分析の教育データへの応用を研究テーマに分析を進めているのですが、ちょうど因果媒介分析ができる人を募集していたのと、シンクタンクで働いている大学の先輩のプッシュがあり、面接を経て晴れてインターンのオファーをもらいました。インターンに限らずアメリカの大学やシンクタンクのポジションはかなり競争率が高いと言われています。相手側のニーズに合うスキルがあるのは前提中の前提ですが、アメリカも日本と同様にネットワークがものを言う社会だなと実感しています。

2.シンクタンクでの仕事

インターンはフルリモートで、オフィスに行くことはありません。僕のチームの職員もみんな自宅からリモートで働いています。アメリカでPhDを取った諸先輩方とお話をする中で、アメリカのアカデミアの就活が大変だと良く聞きます。テニュアの仕事を取れても初めの仕事は南部の田舎の大学などであることが多く、住む場所を選ぶことができないと嘆く声も聞きます。その点シンクタンクの仕事はリモートで住む場所を選べます。PhD卒であればエントリーレベルの待遇も大学のテニュアよりも良いようで、住む場所を選べることに加えて待遇面が理由でテニュアを蹴ったという先輩もいらっしゃいました。僕の周りのシンクタンクの職員たちはワークライフバランスを大事に働いている人が多い印象です。博士課程中の今は休みなくエンドレスで働いているような気がしますが、アカデミアの仕事(ポスドクやテニュアトラック)も自分のやりたい研究ができる反面、馬車馬のように働かないといけないイメージがあります。博士課程修了後のキャリアについて考えるために、シンクタンクでのインターンはとてもいい機会になっています。
現在は米国内の教育介入のインパクト評価事業に携わっており、データの整理や因果媒介分析の応用を任されています。シンクタンク内に因果媒介分析に明るい人が少ないので、インターンでもバリバリメインの分析を任されています。

3.インターン後
サマーインターン終了後に、継続してインターンとして働くという道もあるそうです。気をつけないといけないのは博士論文の研究とのバランスです。夏休みは週40時間インターンとして働いていますが、学期中は同じ仕事量では働かないとしても、並行して博士論文を進めていくのはかなり困難です。キャリアや博士論文の進捗状況など、さまざまな点を考慮した上で決めていこうと思います。あと留学生の卒業後の就職で大事なのはビザのサポートです。就職を考える際にはビザのサポートが可能か早めに行動を起こそうと思っています。

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サルタックでは、ネパールの姉妹団体を支援しながら、現地の教育の質の改善に向けた取り組みを進めています。団体の活動に共感いただけたら、是非、ご支援をいただければ幸いです!またご意見やリクエストなどもあれば是非お願いします。
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