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蘇のおいしい食べ方

せっかく頑張って蘇を作ったなら、色々工夫してよりおいしく食べたいですよね! ということで、今回は、蘇のおすすめの食べ方についていくつかご紹介します。

蘇とはなんぞやという方→「平安時代の「蘇」の作り方に関する試行と考察 〜はじめに〜

蘇の作り方について知りたい方→「メイラード反応を考慮した「蘇」の作り方と加熱条件による味わいの違い

前回のおさらいと今回の記事について

前回の記事で、加熱方法によってメイラード反応による色や風味の付き方が違うことを説明し、仕上がりを以下の4種類に分類しました。

・非メイラード蘇:ほとんどメイラード反応をしていない蘇(写真右上)
・低メイラード蘇:少しだけメイラード反応をした蘇(写真右下)
・中メイラード蘇:ほどほどにメイラード反応をした蘇(写真左上)
・高メイラード蘇:しっかりとメイラード反応をした蘇(写真左下)

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今回の記事では、蘇のオススメの食べ方について、どの仕上がりの蘇に合うかを交えながら紹介します。出来上がった蘇の仕上がりに合わせて色々な食べ方を試してみてくださいね。

オススメの食べ方①蘇蜜

どの蘇に合わせても間違いないのが蜂蜜です。平安時代にも蘇に蜜をかけた「蘇蜜」というものがあったそうで、1000年以上前からオーソドックスな食べ方だったと言えそうです。あまりたっぷりかけると蘇の風味が負けてしまうので、あくまで甘味を補うイメージでほんの少しつけるのがおすすめ。

低メイラード蘇につけるとミルキーっぽい風味と相まって練乳のような味わいに。中メイラード蘇は、メイラード香に甘味が加わり、焼き菓子を思わせる味わいです。

そして高メイラード蘇にほんの少し蜂蜜をつけて食べると、すっかり完成されたスイーツに。「老舗和菓子店で創業当時から愛されている商品です」と言われても納得する味。これのためにまた5時間かけて蘇を作ろうかな、と思えるくらいおいしかったので、時間があればぜひ試していただきたいです。

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オススメの食べ方②塩+粗挽き黒胡椒+オリーブオイル

非メイラード蘇は、カッテージチーズなどのフレッシュチーズに味わいが近いので、フレッシュチーズに似た食べ方がよく合います。少量のオリーブオイルを絡めて塩と粗挽き黒胡椒をパラリとかけるとちょっとしたオードブルに。

低メイラード蘇や中メイラード蘇も、塩+粗挽き黒胡椒+オリーブオイルと組み合わせるとメイラード反応によって生成された風味と混ざり合って複雑な味わいになります。

高メイラード蘇は、メイラード香が強く、黒胡椒やオリーブオイルの味わいと喧嘩するので避けたほうが無難です。

オススメの食べ方③果物と合わせる

柑橘類やイチゴなど、甘酸っぱくてジューシーな果物も蘇によく合います。

非メイラード蘇におすすめなのは、オレンジ+黒胡椒。塩とオリーブオイルを振ってサラダ仕立てにしても良さそうです。

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メイラード反応をさせた蘇におすすめなのは蜂蜜+イチゴ。蘇蜜に小さく切ったイチゴをのせるだけでちょっとしたスイーツのようになります。低メイラード蘇なら練乳イチゴっぽい味わいに。高メイラード蘇はより複雑な味わいで、高級フレンチのデザートに出てきても納得のおいしさです。

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オススメの食べ方④焼き蘇

焼くと味わいや食感に変化があるので、飽きてきた頃にぜひ。トースターやグリルで2〜3分、軽く焦げ目がつくくらいまで様子を見ながら焼きます。

焼くと内部の水分が蒸気になって膨らむためか、ふかふかとやわらかい食感に。また、温めることで乳糖の甘味をより感じられます。焼き色がつき香ばしい香りも加わるので、特に非メイラード蘇や低メイラード蘇におすすめです。

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興味が湧いた方は是非、この週末にでも蘇作りに挑戦してみてくださいね!次回以降は蘇作りの実験の様子や結果などを順番に解説していきたいと思います。

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