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さりげなく製本教室 開講のお知らせ

さりげなくで本を作り出して、4年。出版社を株式会社にして1年がたちました。『本をつくる』と一概にいっても、考えることや決めることがとにかく多く、いろんな疑問を本の方から投げかけられ、チームで自問自答を繰り返しながら作っています。なんて、正解がない世界…と途方に暮れることもあれば、この奥深さや自由さに励まされることも多々あります。

そんな中、私自身がずっと頭の片隅にあるけれど踏み出せなかったのが『製本』についてです。本を作っていても、アイデアや企画、編集、装丁が頭のメインを占めます。本の形の構想を決め、私たちの最後の仕事はデータで入稿すること。ですので、本造りをなんとなく頭ではわかっていても、本の最後の最後の工程である製本を、なんとなくしかわかっていないことに(自分で手を動かしてつくることが出来ない)、居心地の悪さというか、違和感を感じだしていました。(ようやく)

そしてそんな違和感を聴いてくれたのが、製本家でデザイナーの『村上製本』の村上亜沙美さんです。

村上さんの製本は、その「本らしさ」が滲み出る本で、何かすごいことをしてやろうとか、かっこよいものを!!(もちろんかっこいいのですが)みたいなことではなく、本は生活の一部で、人を支え寄り添うものであるということを改めて気づかせてくれます。打ち合わせの中でも、飛び交ったのは個々の本のアイデアや作ってきた本のこだわり、本の周辺について。どの会話もまた思い返せますようにと、思えるようなそんなものばかりでした。話したいことは山ほどあるのですが、ちょっとここらへんで。村上製本さんの過去の製本教室のご様子などはインスタグラムでご覧ください〜。

村上製本さんのマーク、カニさん

さて、さりげなく製本教室の概要です。全5回、村上製本の村上さんが浜松からお越しくださいます。私自身製本の初心者なので、基本の製本から、ああこの製本かとイメージがつきやすいもので教室内容を話し合いました。

▼さりげなく製本教室:全5回 
全て、10時〜13時。
●9月10日(土):いろんな製本を知ろう
●10月8日(土):和綴じ
●11月12日(土):上製本
●1月21日(土):ケトルステッチで本文を綴じる・前編
●2月25日(土):ケトルステッチで本文を綴じる・後編

▼先生:村上製本 村上亜沙美さん
▼定員:7名
▼参加費(材料込み):
・5回通し参加:35000円(1教室7000円)
・単発参加:1教室7500円
通し参加の方を優先させていただきます。
通し参加募集のあと、単発参加の募集を始める予定です。
その他詳しい概要はお申し込みフォームからご確認ください。

▼場所:花辺
京都市左京区下鴨北茶ノ木町25-3 花辺

▼お申し込みはこちらから

製本教室の開催のきっかけは私自身の本の形の興味からでしたが、もちろん本作りを仕事にしていない人も大歓迎です。本作りを学びたい人、紙が好きな人、手で何かをつくってみたい人、本が好きな人、何かを新しく学びたい人、色んな人、が集まるといいなと思います。本は、誰に対しても開かれているものですので。

はじめに、全5回で参加が可能な方を募集します。単発参加は空きがあった場合に随時ご連絡させていただきます。※お申し込みは、7月15日(金)まで。先着順となります。ご了承くださいませ。

参加したかったけど、参加できなかった方(少人数のため、すみません)。製本は気になるけど、教室に参加するのは、まだ…ちょっとという方。遠方で参加できない方々に向けて、村上製本さんと編集部かのこが本の周辺のことを話しながら探っていく『製本とその周辺のはなし〜編集、デザイン、製本〜」も開催予定です。1時間くらいのゆるやかなお話会を開きたいなと考えております。こちらもまた、詳細決まり次第後日ご案内させていただきます。

▼村上製本の村上亜沙美さんに尋ねました。

製本って難しいんですか?簡単ですか?どんな気持ちになるのですか。
と。そしたら、こんな返事がありました。

「本をつくることが難しいとかハードルが高そう、と思っている人にほどぜひ来てほしいです。想像よりもずっと簡単で楽しくて笑ってしまうと思います。自分の手と身体や感覚を使って集中してつくる、という時間もヘトヘトになるけど心地よいです。」

笑ってしまう、、、。確かに。こんなにも簡単で自由なのかと驚いた。自由ということは、奥が深いということ。楽しみだなぁ。

▼余談.はじめてお会いしたその日のこと


はじめてお会いしたその日、村上製本さんと色々とお話をしたあと、簡単な製本をということでみつめ綴じを教えてもらいました。一個、慣れない工程があって3回目でやっとうまくできました。うまくできないと焦っちゃうのですが、村上さんの声かけはなんとも心地よく。焦りは自然と消えて、繰り返し、ようやくできました。うまくいかない、というちょっとした時間はなぜか気分がよい。家に帰ってからも何度も同じ工程でつまづくのですが、物事ができあがるまでには、それぞれの時間があるんだと当たり前のことを思って、なんどもなんどもやり直し、手を動かして作ってみています。なんども手を動かして、完成形までの道をたどっていくとき安心感が生まれるのはなんでなんでしょうね。

みなさまのご参加をお待ちしております。

(2022年7月1日(金)編集部かのこ)



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