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待ち合わせは、待ってない。

待ち合わせをするにあたって、待っている瞬間などなくて、お互い待ち合わせの場所まで一歩一歩進んでいるではないか。

それを待っているなんて言われると、もう大変に困ってしまう。

将来設計の憧れ、目指している自分の地点までの日々の生活は、牛歩なれど進んでいるはずであるのだ。

などと勢いよく書いてみたものの、熱燗DJの見事な仕事にやられている。

山梨に最近越してきた熱燗DJは、ご飯とその人の好みに合わせた燗酒を提供しまくるクリエイターである。

二才の醸に始まり、これを塩麹付けの豆腐、ついで、山廃、味噌かす漬け卵といただき、しいたけステーキを頼んだところで、にごりの燗酒、梅酒に加水した燗酒、なかでも鯖の干物に山吹の極みリミックスは、圧巻で、さながら亡きaviiciを髣髴とさせるブースワークであった。

分かりやすくいうと、美味い肴と美味い燗酒にやられているのだ。

私は弱冠21歳。

燗酒イベントに17時半ごろ合流し、一年数か月共にしているカノジョをつれまだ日も沈みきらないうちからやっていたわけだ。

私だって内省的になるのだ。

こんな僕みたいなヤツが大人に混じって「あー酒が美味い」などとやっていいものか、何事か成してからやるべきではないか。と。

それでも猪口を煽る右手は止まらない。

「あ~」なんていいながら煽っては、また食い、そして飲むのだ。

私は約束したい。今日のような体たらくな日も含め、さながらデート場所で待ち合わせるように、何か書き、アップデートしながら、パンをこね、焼き、酒を飲んで、あこがれる生活と、無事にひとつになってやるのだ。

甘ちゃんが大人に片足つ込んで。

なんて言われても気にしないのである。

大事なことは、足を止めないこと。

毎日、歩み続けること。美味いものを食い、飲むことは、なんら関係が無いのである。

なんとも惨めで長い、酒を飲むための言い訳である。

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