【宮城→山梨】ドライブ旅行記「週末、富士山に行かない?」
「今週末、旅行に行きたい。富士山とか」
もし私が富士山近郊に住んでいて、夫くんにそう誘われたら、特にためらうことなく「いいよー」と言っていたかもしれません。
でも私は、ためらいました。
彼が「旅行に行こう」という時、移動手段は確実に「車」。
そして私たちが住んでいるのは、東北。
宮城県なのです。
旅の始まりは、月曜日
旅の始まりは、先週の月曜日(5月30日)。
夫くんからの唐突なLINEでした。
唐突な旅のお誘いではあったものの、心配性な私のために色々考えて立ててくれたプラン。
週末旅行の目的地が「富士山」というのは東北民の私にとってなかなかパワーワードだなあと感じましたが、私は「富士山、見に行こ」と、すぐに返信。
一生に一度は、近くで見てみたかった、富士山。
その願いが叶う、最大のチャンスだと思ったのです。
目的地は、富士山
最大の目的は「富士山を見ること」。
私は親が愛知県が好きで、子供の頃に宮城から新幹線でよく行っていたため、新幹線の中からの富士山を見たことは何度もありました。
一方、夫くんは「まったく富士山を見たことが無い」とのこと。
新幹線からも見たことが無いし、実際に行ったこともない。
今回の旅が、彼にとって人生初の富士山となる訳です。
旅が決まった月曜日から、私は「旅先で何をしよう」と考え始めました。
我が家の旅の準備は、いつも、各々の担当作業があります。
運転やルート選定は彼が、旅先で何をして楽しむか、という計画は私が担当するのです。
そこで今回の旅も、彼の希望を踏まえつつ、私が「旅でやりたいことリスト」を作ることになりました。
「富士山に行ったら絶対、外でカレーめんを食べる!」
最初に私が「山梨に行ったらやりたい」と思ったこと。
それは「外でカレーめんを食べること」。
まず「カレーめんとは何か?」の説明をしていきましょう。
私たち夫婦はYoutubeで「少年かむい」さんという方のキャンプ動画をよく観ます。
動画の中ではアニメ「ゆるキャン△」の聖地でキャンプをしたり、カレー味のカップヌードルを食べていたり、とにかく「カレー」がしょっちゅう出てきます。(かむいさんご本人が無類のカレー好き、ということもあると思いますが。)
そのうえ、今年に入ってたまたま「ゆるキャン△」を全シリーズ観る機会があり、アニメ内でもカレーが出てくる、出てくる…。
特にカレー味のカップ麺が強烈に印象的なのですが、アニメの中でそれは「カレーめん」と呼ばれているのです。
という訳で「キャンプと言えば、カレー」「ゆるキャン△気分を味わうなら、カレーめん」というイメージがどんどん強まり、
それが私の「旅でやりたいことリスト」の最上位となりました。
旅でやりたいことリスト
「せっかく山梨へ行くんだし、他にも山梨でしかできないこと、その道中でしかできないことも考えておこう」
私はワクワクしながら「旅でやりたいことリスト」を考えました。
美術館や博物館なども富士山周辺にたくさんあるようでしたが、そういった観光施設へ行く、ということは、あまり考えませんでした。
「自然を見たい」「外の空気を感じたい」という気持ちの方が、強かったから。
この気持ちは、夫くんも同じでした。
夫くんの「旅でやりたいことリスト」は
ちなみに宮城から山梨まで、片道約500km、所要時間は約5~6時間。
そんな長距離ドライブにも関わらず、山梨に行っても「富士スバルラインを走りたい!」と思っている夫くん。
「本当に運転するのが好きなんだなあ」と、私はしみじみ思うのでした。
「さすがsarariちゃんは晴れ女だねえ」
出発は、6月4日の朝7時。
事前に調べていた天気予報では曇りや雨だったのに、当日になってみたら、清々しいほどの快晴。
ちなみに私は「自称晴れ女」。
雨の日に「ちょっと出かけて来よう」と外に出ると雨が弱まっていたり止んでいたり、夫くんとのデートや妹と遊びに行く日などの予定がある時、天気が悪かったことはほとんどありません。
そして今回の旅の初日も、天気予報は曇りだったにも関わらず、ピッカピカの快晴。
「さすがsarariちゃんは晴れ女だねえ」と、夫くんから太鼓判を押していただきました。
高速道路に乗る前にコンビニで朝食とおやつを買い、いざ、高速道路へ。
夫くんはSAで「朝カレーをする」ということで、私だけ、最近ずっと食べたかったコンビニおにぎりを2つ調達しておき、高速道路に入ってから、のんびり朝食をとらせてもらいました。
安達太良SAと、車酔い
社内で最初に掛けた音楽は、私の大好きなK-POPアイドル、TWICEのプレイリスト。
しばらくはノリノリで歌ったり、景色や、周りの車を見ながら夫くんと会話を楽しんだのですが…。
途中から、なんだか頭痛がするような、体が重いような、軽く吐き気もしてきたような…。
朝食のおにぎりも結局1つしか食べられず、「なんだか体調がおかしい」と感じ始めていました。
うつ病治療中の私はちょっとしたことにストレスを感じやすく、それが体調に出てしまう(パニック発作を起こしやすい)ので、「うわ、パニック発作起きてる…?でもさっきうつの薬(抗不安薬)飲んだよな…」と、あわあわ考え、だんまりモードに。
幸い、休憩のため、福島の安達太良(あだたら)SAで車を出られたのですが…やっぱり、体調がおかしい。
なんだか目の焦点が合わないし、頭がくらくらするし、とにかく早く座りたい。
夫くんが意気揚々と朝カレーを楽しんでいる間、どうにかもう1つのおにぎりを食べつつ、「早く治まらないかな…」と考えていました。
食後、建物から出ると、「この先の旅、無理なのでは…?」と心配になるほどグルグル目が回り出し、かなり焦りました。
しかし同時に、気付いたのです。
「これ、車酔いじゃん!」と。
久しぶりの長距離移動、そのうえ、車の速度もとても速い。
それに体が驚いて、車酔いになっていたのです。
原因が分かれば気持ちもラクになり、「休んで治ったら、この先も大丈夫だな」と思うことができました。
そのうえ安達太良SAには、「旅でやりたいことリスト」にもあげていた、少年かむいさんリスペクトブレンドのコーヒーがある!
それを思い出したら急に元気が出てきて、自販機を探し、コーヒーを購入。
機械の中でドリップされているコーヒーの映像と、なんともコミカルな音楽が流れている間に、私の体調はケロッと回復したのでした。
富士山は、まだ?
その後は青空を眺めながら快調に車を走らせ、次第に近づく目的地、山梨県。
その道中、山々を見ながら気付いたことについて、夫くんと話したことがあります。
「こっちの山は、東北の山より、つんつん尖っているね」
私たちが宮城でよく見る山はなだらかで、丸みを感じるような山々。
一方、今回初めて足を踏み入れた山梨付近の山々は、でこぼこしていて、とんがった印象。
「東北の山が雄大な感じなら、こっちの山は荘厳な感じがするねえ」
そんな話をしながら、山梨が近づけば近づくほどに、高まる期待値。
「富士山、まだ見えないかな。まだかな」とキョロキョロ周りを見渡す回数が、自然と増えていきました。
グーグルマップでどの方向に富士山があるのかを調べ、「正面にあるはず」「今は左の方」などと分かるたびにキョロキョロするのですが、他の山が目の前に立ちはだかって、なかなか富士山との対面は叶わず。
そんな私たちの最初の目的地は富士山…ではなく、山梨県の身延町にある「ゆるキャン△」聖地、スーパーマーケット。
富士山へ行く前に、その日の夕飯の買い出しと、ゆるキャングッズを確保することが目的です。
一瞬、山梨に居ることを忘れました
入店して、まず驚いたこと。
なぜか地元宮城のつみれ汁の店頭販売がされていて、地元スーパーでも必ず居る販売員さん(同じ人ではないと思うけれど…)まで居る…!
山梨に来て、地元宮城のスーパーで見たことのある風景。
一瞬、ここが山梨であることを忘れました。
さて、カートを押しつつ、まずはカップ麺(カレー味)を確保。
それから那須高原SAで買ったソーセージに合わせるビールと、少しでも野菜を補充するための野菜ジュースも確保。
そして最後に…レジ横の「ゆるキャン△」グッズコーナーへ!!
ステッカー、キーホルダー、アニメに出てくるカレーを再現したレトルトカレー、シェラカップ、トートバッグ、主人公のリュックと同じデザインのリュック、Tシャツ…。
目移り必須の光景。
グッズコーナーをじっくり歩きながらグッズを選び、ステッカーと、アニメにも出てくるカレーを確保。
「アニメに出てたカレーが食べられる!」と、それはもうワックワクの私。
グッズを選び終えたら、レジで「アニメで見た制服だ…」と店員さんに感動しつつ会計を済ませ、スーパーを出て…今度こそ、富士山とのご対面のため、出発です!
富士山だけ、曇ってる
向かったのは、本栖湖。
1,000円札にも描かれている富士山の見えるスポットを目指したのですが…到着してみると、富士山だけ、曇ってる。
本栖湖上空は雲はあるものの、所々青空が見えているのに、富士山にはたっぷり雲がかかっていて、雲の隙間から5合目あたりがチラッと見えるだけ、という感じ。
そのうえ、快晴だったはずの天気が曇りに変わり、標高が高くなったこともあるのか、吹き付ける風が秋風のように冷たい…。
富士山の裾野のなだらかなラインをみただけで「富士山って、ものすごく大きいんだ」ということだけは分かったものの、全体像を拝むことなく、その日宿泊するコテージへ向かったのでした。
しかし道中でまた、新しい発見が。
本栖湖の周囲を走っているとキャンパーではない人たちの車が沢山停まっていて、皆さんが湖でのスポーツ(ヨットやカヌーなど)を楽しんでいることを知ったのです。
宮城の海の近くに住んでいる私たちは湖になじみがなく、「湖でスポーツ」というイメージも全くなかったため、「見て楽しむ」「ボートをこぐ」くらいしかなかった湖のイメージがガラリと覆ったのでした。
山にあるコテージ
その日に宿泊したのは、河口湖近くの山の方にあるコテージ。
2人で予約したのですが、なんと、6人用のコテージを使わせていただくことになりました。
受付の方と少しお話ししてみたら「宮城からのお客さんは初めて。でも俺、10年前くらいに宮城に住んでたよ」とのこと。
ここでも宮城に縁のある方に出会えるとは…なんとも不思議な旅の出会いです。
「他の目的地に寄るついでに富士山を見に来る人はよく居るけど、お客さんもそう?」と聞かれたのですが、いえいえ、私たちの目的は「富士山」一択。
むしろ「他の目的のついでに富士山」ということがイメージできず、頭の中が「?」でいっぱいになりました。(どういう状況でそうなるんだろう。)
さて、コテージの途中までは車で、残り半分の距離を歩きで進みます。
しかし流石、山の斜面につくられたコテージ。
斜面がものすごく急で、コテージに着くまでの短い距離で息切れ、バテバテ。
私に体力がないだけかな…と思ったのですが、夫くんも息を切らしている所を見ると、なかなかハードな斜面だということを理解。
コテージまでの道のりは、ちょっとした登山のような体験でした。
念願の「外でカレーめん」!
コテージには、ハンモックが備え付けてありました。
荷物をひとしきり整理した後、「とりあえずハンモックに寝てみよう」ということで、セッティング。
人生初ハンモックは…最高の寝心地。
少年かむいさんの動画でもハンモックにごろりと寝ころぶシーンが何度もあったのですが、「そりゃあ、ごろりしたくなる訳だ」と納得。
やっぱり体験してみないと分からないことって、沢山あるものです。
さて、その日の夜、ずっと夢見た「外でカレーめん」を決行!!
河口湖の標高は833mあるせいか夜は肌寒く、少し厚手の上着を着て、コテージのテラスでカレーめん(カップヌードルのカレー味)を食べました。
外空気と、夜景と、風と、音と、カレーめん。
色々なものが肌と口の中で混じって、おいしいの、なんの。
アニメで「外メシ効果で3倍(食事が)うまい」なんて台詞がありましたが、それをしみじみ感じつつ、夢中になってカレーめんをすすりました。
冷たい風と気温で寒がっていたのが嘘のように、食後には冷えた手足もぽっかぽか。
私がこの旅で一番やりたかったことが叶い、満足した心地で、その日は眠りにつきました。
富士山は、寝坊助な夫くんをも動かす
翌日のチェックアウトは、朝の10時。
身支度や食事のペースが遅い私は、余裕を持って行動したかったので朝6時に起きました。
夫くんの場合、土日は基本的に10時までベッドに居るため、チェックアウトのためにいつもより早く起きたとしても、7時か8時くらいに起きるんだろうなと思っていたのですが…。
彼が、起きてきたのです。6時に。
しかも「ふじさんぽ(富士山へ散歩)に行こう」と言い出した。
あんなに朝が弱い夫くんをも動かす、おそるべし富士山パワー。
私も急いで身支度をして、早朝の「ふじさんぽ」へ向かいました。
コテージから富士山までは徒歩15分。
出発して数分後には、気付きました。
この日は、富士山のてっぺんまで見えることに!!
天気は昨日に引き続き曇りだったにも関わらず、ハッキリとその全貌を見せてくれた富士山。
想像していたよりもずっと大きくて、ずっとずっと、美しかった。
しかも頂上には、なにかの写真で見たことのある雲が。
河口湖に着いてから調べてみると、その正体は「笠雲」。
形が末広がりで「縁起がいい」と言われている雲であり、富士山に笠雲がかかる日は雨が降る、とも言われているそうな。
富士山の全体像と、「笠雲」という珍しい現象を見られた私たちのテンションは、静かに急上昇。
写真を撮り、河口湖の周りを散策しながら富士山を眺め、なぜか遭遇した白鳥に癒され…雲と朝日の効果で次々と表情が変わる富士山をまた眺める。
そんなことを30分は繰り返し、朝食の時間が迫った所で、コテージへと引き返したのでした。
いざ、富士スバルライン!
チェックアウト後に目指したのは、夫くん念願の富士スバルライン。
入ってすぐに「メロディーロード」という道があります。
道路に特殊な加工がしてあって、その上を一定速度を保ったまま車で走ると、メロディーが聞こえてくるのです。
夫くんは知っていたのですが、私は直前に聞かされ、直後にメロディーが流れ始めたので、私はそれに大層ビビりました。(大きな音、変わった音に弱いのです。でも、面白い体験でもありました。)
その後は豊かな自然を感じながら走り、だんだん標高が高くなると、ふわふわとした霧のようなものが立ち込めてくる。
でも、霧じゃない。
私たちは、雲の中を走っていたのです。
山肌に雲が当たって滞留していたり、ふわりふわりと形を変えていく様が本当に幻想的で、とにかく感動しっ放し。
「5合目に着いたら、どんな景色が待っているんだろう!」と期待を膨らませながら、さらに車を走らせました。
眼下は、一面の曇
5合目に着いてまず見えてきたのは、ハトバス。
あの黄色い車体はテレビでしか見たことが無く、富士山に驚くより先に、「あれがハトバスか!」と、そちらに驚いていました。
さて、肝心の5合目からの景色なのですが…。
眼下は、一面の曇。
晴れていたら見えるはずの湖や街並みは一切見えず、ただただ白い雲が広がっていました。
しかし、上を見れば、そびえ立つ荘厳な富士山。
5合目までの道のりは緑豊かだったのですが、5合目から上はあまり緑もなく、むしろ茶色というか、黒というか、「土」を感じる色彩。
そこにうっすらと雪が被さっていて「これから夏を迎える富士山は、こんな表情をしているんだ」「私たちは、本当に富士山を登ったんだ」と、実際に見たからこその感動を抱くことができました。
「まさか本当にあるなんて!!!」
5合目には、神社と、いくつかのお土産屋さんが並んでいました。
神社があることは知らなかったのですが、「折角だし」ということで、参拝からスタートすることに。
参拝の仕方も書いてあって、気分よく、正しくお参りをすることができました。
富士山の麓でなく、中腹、つまり富士山の大地の上でお参りをすると、身も心も一層清められたような、清々しい気分に。
私はいつも旅先で神社に行ったらお守りを買うようにしていて、今回も自分用に富士山の形をしたお守り、両親のお土産用に色違いのお守りを購入。
そしてそこから「お土産は富士山で買う!」と決めていた私は、お土産屋さん巡りをスタートさせました。
まずは神社の前のお店で、祖母のために富士山のポストカード。
妹のために、富士山5合目でしか買えない、富士山仕様のキャラクターマスコット。
自宅用にも、好きなキャラクターの富士山仕様マスコット。
そしてなんといっても…「富士山柄のがま口」!!!
「まさか本当にあるなんて!!!」と衝撃を隠せませんでした。
しかもサイズが大、中、小の3つあって、選ぶ楽しみまで!
じっくりじっくり悩み、「購入した後、何に使いたいか」を考えた結果、一番大きなサイズをメイクポーチ用に購入しました。
「富士山に、馬?!」
お土産購入ツアーを繰り広げていたら、目の前に現れたのは、たくさん、馬。
「富士山に、馬?!」
びっくりしてジッと見ていると、呼び込みの方が「日本で一番遅咲きの桜が見られますよ」とお誘いしてくれました。
どうしようか悩んだもの「人生で一度は乗馬してみたいと思っていたし、このチャンスを逃したら、きっともう乗ることは無い!」と思い、トライしてみることに。
人生初の乗馬は、まさかの、富士山5合目。
馬に乗ってみると目線が一気に高くなり、バランスを保つことにずいぶん神経を使いました。
馬が揺れれば、私も揺れる。
ゆらゆらと揺れ動く重心に対応するため、体幹にグッと力を込めていないとバランスが取れないのだと知りました。
ゆったり歩いてくれるお馬さんに身をゆだねつつ、桜を見たり、雲の中の景色を楽しんだり、馬を引いてくれているおじさんのお話を聞いたり、馬の背のあたたかさを感じたり…。
「体験しないと分からないことがある」
それを心の底から、体の芯から、知ることができたのでした。
人生初、高速道路でガッツリ渋滞
富士山5合目をたっぷり満喫し、私たちは帰路へ着きました。
行きがスイスイ行けたので、きっと帰りも…と思っていたのですが、最終日、このタイミングで、人生初、高速道路でガッツリ渋滞。
時々ちょこっと動いては、止まる。
またちょこっと動いては、止まる。
その繰り返し。
そして私は、閉所恐怖症。
「重体と何の関係が?」と思われるかもしれませんが、渋滞は、私にとって閉所と同じくらい怖いものだったのです。
「いつまでこのペースなんだろう。自分のタイミングで外に出られないなんて、まるで閉所じゃん…。3車線の真ん中の道に居るから右も左も車なのも狭く感じて怖いし…やばい、またパニックになりそう…」
そんな風にメンタル不調を起こしかけましたが、幸い、40分弱でパーキングエリアで休憩を取ることができ、ギリギリのところでパニックは回避。
その後も少し渋滞は続きましたが、30分くらいでそれもスッキリ抜け出せて、その先はスムーズに走ることができました。
ちなみに夕食は、佐野市で佐野ラーメン。
あっさりとしたスープに、少し幅広でぷりぷりした麺、チャーシューはほろっと崩れるようなやわらかさ。
旅と渋滞の疲れも相まって、それはもう、美味しいラーメンに感じたものです。
渋滞のために宮城にある自宅に着くまでに7時間ほど掛かりましたが、景色や、すれ違う車を見ていると飽きないし、それを話題に会話を楽しみながら、長距離ドライブを最後まで満喫。
結局、夜の9時半頃、帰宅したのでした。
「週末、富士山に行かない?」
唐突な一言から始まった宮城から山梨までのドライブ旅は、こうして無事、幕を閉じました。
やっぱり旅にトラブルはつきもの。
久々の高速道路での長距離移動によって起きた、ぐるぐる目の回るような車酔い。
たっぷりとした雲に隠れて見ることができなかった、初日の富士山。
コテージ内を開けたら、そこに居た大きな蟻と、大きな蜘蛛。(翌朝、外で朝食をとっていた時も服の襟に蜘蛛がとまっていたり、コテージ内に大きな蜂が入ってきたり。)
車から降りた時は「涼しい」だったのに、あっという間に「寒い」まで気温の下がった、天候の変わりやすい富士山5合目。
2日目の昼食は道の駅で吉田のうどんを食べる予定が、激混みで食べることができず、代わりに食べた卵サンド…。
しかし、それらをも「思い出」に変えてくれた、「体験しないと分からないこと」の数々。
安達太良SAと那須高原SAでしか飲めない、少年かむいさんリスペクトブレンドコーヒー。(本当に美味しかったんです…。)
遠くからでも、雲に隠れていても分かる、富士山の大きさと存在感、美しさ。
湖の美しさと、キャンプやヨットなど、それぞれの楽しみ方で湖を満喫する人々の居る光景。
ハンモックに揺られる気持ちよさ。
虫の声や木々のざわめく音を聞きながら食べる食事の楽しさ。
朝の空気の清々しさと、笠雲を被った富士山。(チェックアウト後にもう一度見に行ったら、笠はすっかり外れていました。)
富士スカイラインから見る、富士山の「中」の豊かな自然の景色。
標高の高さと自然の豊かさから感じられる、澄み切った空気と、海と全然違った匂い…。
「週末、富士山に行かない?」
その一言に乗ったからこそ知れた、行ったことのない土地の、新しい景色、新しい体験。
これまでに経験した旅はどれも忘れられないものばかりですが、この旅も、絶対、忘れらないものになるでしょう。
だって、楽しかったんだから。
宮城から山梨へ、往復1,000km越えのドライブ旅。
行ってよかった。
そして、また、行けたらいいな。
新しい思い出を作りに、どこか、新しい場所へ。
私の活動に関心を寄せていただき、ありがとうございます◎サポートでお寄せいただいたお金は、作家活動費として活用させていただきます。