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【UWC体験記⑭】東アジアNational Eveningーヲタ芸披露・日本の部活経験の紹介

12個あるNational Group(地域グループ)がそれぞれ自分たちの文化をショーの形式で紹介するのがNational Evening。

東アジアのNational Eveningは年度も終わりに近づいた3月末に実施されました。それまで見てきた他のNational GroupのNational Eveningは本当に様々で、会話ばかりでコメディショーのようなもの、National Groupの中の国をそれぞれ紹介するプレゼン形式、とにかくみんなでいろんなダンスを披露、といったものまでそのNational Groupの特色がよく出るものです。

National Leaderたちや日本人の先輩からも「東アジアはパフォーマンスのクオリティ重視!」と聞いていました。メインである国ごとのパフォーマンスのつなげとして少しストーリーを入れるというものだとのことでした。

そして私たちは勝手にNational Eveningまでの1週間をEast Asia Focus Weekと設定し、色んなCouncilのセッションを開いたり、Fashion Showも行います。


日本人で練習開始

日本人は私含めて1年生4人(日本協会3人)、2年生5人(日本協会4人)の9人です。やはり真面目なので(笑)、1か月以上前から練習を開始しました。

ヲタ芸

日本人が毎年ヲタ芸をやるというのはここ数年の伝統になっていたらしいです。私もここでちゃんと聞くまではアイドルの前で光るスティック振ってる人?というイメージしかなかったのですが、動画を見ていくと「なんだこれは!」とそのダンスとしてのレベルの高さにびっくりしました。

「夜に駆ける」を選曲し、先輩がYoutubeの色んな動画を組み合わせて難しすぎなくなった振り付けを教えてくれました。

以下が参考にした動画の1つです。

練習は平日の夜8時~などが多く、本番が近くなるにつれダンススタジオが空いている土日の早朝などでも実施しました。

日本人でたまに懇親会などは開いていましたが何かを一緒にやる機会はそれまで無かったので、その1か月間で少し距離が近づいたと思います。

Jpop

日本人はどうやら毎年ヲタ芸以外にももう1つ有志でのダンスをやるらしく、今年やるJpopに私も参加することに。Twiceの「Take a Picture」というそういうことに疎い私には聞いたことあるような?というレベルの曲でした。

ちなみにそういったダンス経験は無いのですが、一緒にやる2人はかなりダンス上級者(笑)。私のためか振り付けもかなり優しいものを選んでくれ、なんとか付いていくことができました。

Focus Week

WellCoセッションを開催

Focus WeekでのCouncil Takeoverのうち、私はWellCo(健康委員会)のセッションを担当させてもらいました。

WellCo セッションのポスター

内容は「心身へのプレッシャーをかける日本の学校の課外活動について」。私の中学の硬式テニス部、そして高校での生徒会の経験について話しました。

硬式テニス部では、一番きつい合宿では炎天下の中休憩なしでひたすら走りこみや振り回しの練習。そして時間厳守などが少しでも破られると罰ランを永遠と、という中一からかなり過酷な状況で吐く生徒は日常茶飯事、負傷したり過呼吸の生徒も多く出るという環境でした。

ただそういった限界まで追いこむ練習を日常的にしたことによって、いざ試合で苦しい時でもモチベーションを保ち続けることができたり、体力では絶対に負けない自信がついて焦らず試合を進められたりと、私はとても感謝している経験です。

そして高校の生徒会では顧問の先生がとても厳しく、全ての書類や仕事内容に社会人レベルの完璧さを求められました。1つでもミスをしたら怒鳴られる、という恐怖でいつも震えていたので生徒会の本来あるべき姿とは違う、と不満が大きかったです。一方で、自分にものすごく厳しくなり、基本的なことで絶対にミスを出さないように慎重に確認したり、相手が一番読みやすいように細かい工夫をする、ということはあの経験が無ければ習得できなかったとも思っています。

このように、私からは最終的にはポジティブな経験としてセッションでは話をしたのですが、案の上世界中の他の国で育った同級生たちからは異論が。

「そんなの体罰じゃん」「非合理的だと思う」「メンタルケアは大丈夫?」

など、確かに当然とも言える声ですが、もちろん日本にいる時にはそのように考えたことはありませんでした。改めて環境による価値観のはっきりとした違いを感じ、私の元々の価値観と彼らの価値観、その両方を理解できるようになっている自分の成長を感じました。

Fashion Show 

National Eveningを日曜日に控えた週の水曜日の昼ごはんで実施されたEast Asia fashion show。日本人の他の先輩が浴衣で歩き、私は他の2人の先輩と日本の制服を着ることに。

Fashion Showと言ってもとてもエンタメ性が高いもので、好きな曲をかけてダンスをするなりメッセージを掲げるなりとても自由なものです。ただ制服で歩くだけではつまらないので日本のヤンキーを表現しようということになりました。

食堂でのFashion Show

私ともう一人の女子の先輩がヤンキーでバットなどを持って歩き、もう一人の男子の先輩を追いつめて引きずる、といった演出でしたが、私たちの真面目イメージもありかなりウケました(笑)。


本番

本番は日曜の夜、午後7時から。その2日前から通し練が始まり、当日も朝からリハーサルです。もちろん日本でショーや文化祭の劇をするときなどと比べると練習量やクオリティは低いのですが、皆の待ち時間が長くなりすぎないようリハーサルでも細かいスケジュールが組まれ、時間管理がきちんとされているところは、さすが東アジア!となるばかりでした。

ヲタ芸は盛り上がるから、ということで一番最初のパフォーマンス。緊張の中、みんなでスティックを折ると本当にまぶしく光ります。そしてパフォーマンス。最後にライトスティックを観客に投げ入れるとものすごい歓声、拍手が。あの時の喜びは忘れられません。

ヲタ芸

そしてJpopをショーの真ん中あたりで披露し、私は出番終了。その後も役者たちの会話や、東アジアの他の国からのパフォーマンスが続々と続きます。

中国伝統楽器と太極拳
中国伝統舞踊

National eveningのエンディングでnational group全員がステージ上に上がり、終了となりました。

寮に帰ってからも友達から特にヲタ芸への大絶賛の嵐。「あんなすごいものは始めてみた!」という言葉を多くもらいました。

National Leaderになりたい!

National Eveningの前から、全てをまとめ上げているNational leaderたちへの尊敬がどんどん大きくなっていきました。そして出演者にこんなにも東アジア人であることを誇りに思わせ、見てる観客にも「東アジアってすごい!」と思わせるようなことができる。私も来年の一年生にそんな思いをさせるために、この役割を担いたい!と強く思うようになりました。

ただ、National eveningまでは一緒に料理をして食べる、というような集まりぐらいしかnational groupでの活動はなく、私は全く積極的に参加する方ではありませんでした。なのでかなり不利なのではないか、、と思っていたのですが、もちろん出願することに。

応募した13人中4人が選ばれるということで、インタビューが実施されます。ちなみに他のnational groupはこんなに真剣ではないのでかなり適当に前リーダーたちが選びます(笑)。

そのインタビューで私の熱意を伝えました。その頃すでに私は2年生になってからの校内での役割がたくさんあったので「学業とか他の役割とのバランスは保てるの?」と聞かれたのですが、あまり根拠はないものの「絶対に大丈夫です!」と自信満々に答えました。

そして1週間後、外で行われる全校バーベキューにおいて全てのnational groupの新リーダーの発表、引継ぎが実施され、無事選ばれた4人の中に入ることができました。

発表直後の様子

次の日、前リーダーたちとのミーティングがあり、それぞれなぜ選んだかなどを話してくれることに。私の時には、

「あなたを選ぶことには何も異論はでなかった。忙しいと思うけどぜひnational groupのためにやってほしい。」

と、なんとも嬉しい言葉をいただきました。私の年はnational leaderになったことでconference のオーガナイザーにも自動的になることになり、十分すぎるほどこの仕事を全うすることになります。


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